短歌日記 2021/03/22、3/23
知識が増えて世界がより鮮明に見えることを「解像度が上がる」などと言いますが、表現力を上げることで解像度が上がった世界をみんなに見せられるようになることはなんて言うんでしょうかね?
手のひらの形に温度が奪われ塩をまぶしてくるくる巻かれた
皮なめしの歌です。裏のイメージは愛撫です。
覇気がないソフトバンクの店員の爪が綺麗な事しか知らない
この前行った携帯ショップから接客に対するアンケートが送られてきましたが、不満も満足もありませんでした。
ブランコが虹を創ると発明し、カッパを着た子が飛び乗っていた
雨上がりは、「入りまーす!」と宣言して水溜りにドボンと入っていった幼稚園児を思い出します。あんな子どもになりたい。
空からのディッピンドッツが届いてる
犬の吠え声が溶かしていく
あられにびっくりした犬がけたたましく吠えていました。
将来は曇りガラスの職人に
見えない見ない見ようともしない
急に将来が不安になって、職人に弟子入りしたいと思いました。将来が見えないにかかっています。
図書館が一面ガラス張りだから文鎮のなかで生きているよう
富山市のガラスで覆われた図書館が好きです。水族館で売っている、ペーパーウェイトを思い出します。ジンベイザメのように人間がガラスの中に固定されているような。
ホルマリン液で満たしたビルの中
私は薄く目を開いてる
上のイメージが好きすぎたので、今度はOLの目線で。ホルマリン→固定・死、ビル→ガラス瓶のイメージよ、伝われ〜!
ホルマリン液で満たしたビルの中
死んだように働いて死ぬ
リズムが整ってないけど、上の首を変えてみました。より直接的に。
ガラス張りビルの中にはホルマリン
死んだように働いて死ね
より直接的に。
さようなら耕作放棄世界では今日も地球人が煙たい
宇宙人の目線で、地球を見たら、耕作放棄地ばっかりに見えるのかなって。
さようなら耕作放棄世界では今日も地球人が冷たい
上を少し改良。冷たい、には「さようなら」的な冷たいと「死んだ」の冷たいを込めてます。
もう無理とガラスのビルから飛び降りた
夕陽の赤さが聞こえてきそうだ
ガラスのビルの吹き抜けは存在するだけで不穏です。
荷造りは人工呼吸と同じだと
あなたの背中を眺めてゴクリ
駅の中にいた人を見て。ゴクリで緊張感とか興奮が伝わって欲しいと思った。
だらだらと忙しない日を過ごしては帰りの電車で爆音K-pop
いとこがずーっと「リッスントゥマイハート ビー」って歌ってて、K POPの歌を書いてみました。受験期、謎にtwiceにハマってた。
例えると、ティッシュ取ってと同等の頻度で好きと答えられたら
ティッシュ取ってってすごく家庭的で信頼がある言葉だと思う。嫌って言うような人には頼まないし。
4㎝浮いたからだが彷徨って今日も私は残業を拒む
パンプス履くのやだな〜と思って考えた歌。4㎝も浮いてるんだから残業なんかはしませんよ。
4㎝浮いたからだが彷徨ってパンプスを脱いで屋上に出た
上の首を変えた。風船で4㎝浮いてる子なら屋上に行くかな〜と思って。
胃の中にヘリウムガスを詰めておく
いつかクジラとあの空を泳ぐ
上の首から連想。鯨が腐敗するとガスが溜まってバルーンのようになります。大抵はその前に分解されてしまうけど。
電灯のないこの路を真っ直ぐと振り返るなとまぼろしが言う
カントリーロードを聴いていて思いついた歌。
準急が停まらぬ町で育ったと助演女優の顔でほざいた
特に深い意味はない。
終電が早い町から通いだと助演女優の顔でほざいた
ほざくならこのくらいの嘘をついて欲しい。ということで上の首を変えた。
ワイパーの代わりにツバメが飛んでいる
冬を拭って拭って拭って
拭って拭って拭ってと言いたかった。
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