短歌日記 2021/7/12〜17

片側にばかり集まる学部生
船ならとっくに転覆してる


死の息吹 指に感じるミュージアム
静かに熱い私を見ている


父、母よ 私はここで眠りたい
カラスよ食べろ 私を食べろ

鳥獣葬されたい

理を見つめる最期のガンダーラ
私は君か お前は俺だ


ひろがって 「ここは前夜だ。何もない」
海から昇る 赫の冷たさ


ここはまだ前夜だ。どんな未来でも灯台だけが私を見てる。


毛穴からホワイトリリーの味がする
ベッドの下はお先真っ暗

結構好き

家出した未来を思い涙目になっちゃう夜もあるかもしれない


家出した未来を思い涙目になっちゃう夜に雨が吹き込む


手放した未来を思う
涙目になっちゃう夜に雨が吹き込む


これはメス、これはオスだし、これは子だ
髄のゼリーのたましいを聴く


和音にも知性という名の男にもエロスを感じる。私は、もう、


ねえわたしいつしぬのねえなかないで
ほんとになきたいわけじゃないでしょ

これも結構好き

人間がうっすら嫌い。こんなこと言わずに済んだ世の中だから


血管が痒い、血管が痒い と泣く子の背を撫でるしかない


空っぽの車椅子押すお兄さん
ずんずんと行く 

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ずんずんと行く


ニセモノがおすまし顔で並ぶ夏
痛くなるほど氷を食べろ 


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