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Emma-Jean Thackray - Ley Lines
Emma-Jean Thackrayが自らトランペット以外も全てのパートを演奏してプロダクションも自ら行った本作はヒップホップからフリージャズまでそれらが一貫して違和感なく収まっている。自己完結したものをやりたかったと自ら語っていたが、それはLondon Symphony Orchestraとの共演などあらゆる共演を踏まえた上での自己完結という凄みでもある。
メロウなオープニングMake Doから始まり、フリージャズ色強いHowlayを経て、LoFiクロスオーバーアプローチのRed Bushに至る冒頭のつながりで一気に引き込まれる。これほどの振れ幅がありながら一人でコントロールしているからなのか、振れ幅を意識させない落ち着いたトーンが続く。
Catford Bridgeとタイトル曲Ley Linesは全パート限りなくオンマイクで記録されたファンキーな演奏が続く。特にタイトル曲はミニマルな構成とヴォイスを含むアフロファンクアプローチが心地よい。
再びメロウな質感に戻ってアルバム後半、短い曲が続く。漂うボーカルが美しいThe Endはオルガンで繰り返されるフレーズと全体を覆うオーケストレーションの組み合わせが見事で引き込まれてしまう。最後はトランペットも含むフリーな管楽器セッションの様相で作品を終えるが、上述の通りあらゆる音楽をカバーしながらやはり統一感ある印象だ。さまざまな経験を踏まえてバランス感覚とアウト感覚を持ち合わせた上ので自己完結表現なのだろう。とても素晴らしい。
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