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Boredoms - Wow2
ハードコア期のボアダムスの音数多くリアリティー溢れる録音が素晴らしい。ボアダムスの変遷はトランスレコーズのコンピ前後の最初期やレイヴ期など、常に気になっていた。本作は弦楽器とドラムの強さに合わせたヴォイスパフォーマンスの組み合わせでハードコア色が前面に打ち出されているが、随所に配置されたリフの仕上がりの良さもあり非常にポップな作品ではないかと思う。この頃のボアダムスには他のハードコアバンドの追随を許さないそういう側面が常にあるように思う。これはある種の山塚アイのサービス精神のようなものではないかとさえ感じることがあるし、それを期待する自分がいるのも確かだ。
またこの時期のボアダムスはハナタラシ期からスカムシーンに注目し続けた(であろう)山塚アイの感性がUS LoFiインディーシーンとシンクロしている時期でもあり、そういった連携の仕方や一連のヴォイスパフォーマンスやノイズシーンのアプローチは本当に興味深い。残された音源から是非辿ってみたい部分だ。
Rat Soupの細かなギターフレーズはこれが録音された当時のUSインディーシーンを思わせるネオサイケアプローチを感じる。続くPop Canは、これはリスナーの結果論に過ぎないが徐々に電子音への接近を予感させるループ感とサンプリングを思わせる音づかいがみられる。
後半、100 Domというドローンサイケアプローチの曲は非常に面白い。2010年代以降の感覚でいえばスクリューされたかのようなヴォイスアプローチは極めて当たり前に響くが本作はリリースされたのは1992年なのだ。終盤、Do, On, Upと意図して配置されたと思われる曲名が並ぶ。ここではスカムのリアルタイムアプローチが見事だ。
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