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Rafael Toral - Space Quartet
ポルトガルでレフトフィールドを牽引する現代音楽家Rafael Toralがエレクトロニクスエクスペリエンスを多用しつつ、ジャズフォーマットのJoão Pais FilipeのドラムにHugo Antunesのウッドベースを加え、Ricardo Webbensのシンセサイザーを添えた野心的な本作は、解説によれば“an advanced application of the Space Program principles”(「スペースプログラム」の応用)、ヒューマンタッチな電子音楽実験という位置付けになるようだ。取り組みはラジカルだがユーモアも交えた仕上がりになっている。
Lisboa, Pt.1は、電子音によるインプロビゼーションがリズムセクションと折り合うアプローチが素晴らしい。ジャズフォーマットの中に展開する現代音楽というような形容の難しいスタイルを感じるが、特に中盤からのドラムのオンマイクの心地よさと電子ノイズのバランスが素晴らしい。
Coimbraは、フリージャズ的なドラミングが楽想を作っている。そしてやはりそのマイキングが良い。徐々に電子音が入り、中盤はドラムが止む。静寂が徐々にノイズを増していき、ウッドベースとパーカッションのスピリチュアルなインプロビゼーションから電子音が混ざり合う後半にかけての静かにフリーキーなスタイルも印象的だ。
Lisboa, Pt.2は、Pt.1を一層ラジカルにしたようなインプロビゼーションからはじまる。後半はリズムセクションのインプロビゼーションが全体を覆うようになり電子音とのセッションのアプローチでPt.1とのつながりを感じられるようになる。非常に野心的なトラックだと思う。
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