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浅井直樹 - アバ・ハイジ

1988年にプライベートプレスで発表された本作はその後、2010年代にヨーロッパのレコードコレクターが紹介したことがきっかけになって話題を生みリイシューされることになった。原マスミに近い雰囲気と、1980年代中盤のUKインディーシーンのギターポップ感を抱えたローファイポップな雰囲気が素晴らしいアルバムだ。

冒頭のタイトル曲アバ・ハイジは、ゆったりしたエイトビートでシンプルな演奏に合わせて歌われるメロディーがとても美しい。転調を繰り返しながら親しみやすさを保ち続けるメロディーが素晴らしい。淡々と進む楽曲に惹き込まれる。

夜間飛行は、静かに語られる幻想的な世界がとても美しい。鍵盤楽器のきらびやかな音色が幻影を盛り上げる。中盤のワルツを盛り上げていくパートへの切り替わりが素晴らしい。

キャンディーは、逆回転など静かに多様するアプローチを織り込みつつ、基本はシンプルなアコースティックギターのアルペジオで進行していく。囁くように歌われる歌はやはりどこか寓話的な世界観がある。短い間奏の幻想的なアプローチがとても美しい。

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