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Юрий Морозов - Ночной певец

アルファベット表記ではYuri Morozov。レニングラードを拠点に旧ソ連で活動を続けていたが、自作エレクトロニクスマシンやアコースティック楽器を駆使したベッドルームレコーディングによる膨大な作品が残されているようだ。エレクトロアシッドサイケロックなスタイルはとてもインパクトのある楽曲が多く残されている。本作は1983年に発表されているが、ポップで親しみやすいメロディーに複雑なリフと変拍子が加わるアプローチはR.I.Oにも通じる世界観を感じる。

Похвала глупостиは、ポストパンク的なラジカルなカッティングと複雑なリフを交えた変拍子の組み合わせがプログレッシブな1曲だ。フランクザッパやHenry Cowとトーキングヘッズを組み合わせたような雰囲気がとても面白い。

Когда стены не будетは、雄大なバラッドの雰囲気を纏ったピアノやアコーディオンが美しい。中盤にこれらの雄大なパートを排してギターによるフレーズに置き換わる瞬間があり、こういったところに楽曲の骨格を見るような気がする。

アルバム最後のПотерянный райは、アナログシンセサイザーを軸にしたレトロエレクトロなインストになっている。楽曲はシンプルだが電子音の使われ方はとてもモダンだ。Yuri Morozovの多様なアプローチを垣間見る素晴らしい作品だと思う。

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