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The Glove - Blue Sunshine

1983年、ロバートスミスとスティーヴンセヴェリンを中心として作られたコラボレーションアルバム。キュアーもバンシーズもどちらの要素も織り込まれていてポストパンク期の上質なポップ感覚が凝縮されている。ロバートスミスはアルバムの中でボーカルとしての参加は2曲のみだがどちらもとても素晴らしい楽曲だと思う。

Mr. Alphabet Saysは、ピアノのブロックコードから始まる。英国気質のポップ然としたスタイルにロバートスミスの独特の歌が入るとどこかポストパンク的な雰囲気に覆われていく。中盤の下降するストリングスと淡白リズムの組み合わせなど、ゴシック系のサウンドとヴェルヴェットアンダーグラウンドをつなぐようなアプローチがとても印象的だ。

Punish Me With Kissesは、スティーヴンセヴェリン色の強いシンセサイザーが透明感を放っていて美しい。硬質なベースや楽曲中盤まで踏みとどまり、イトビートを解放するのが間奏のみという抑制されたリズムトラックのアレンジがとても面白い。

Perfect Murderは、再びロバートスミスによるボーカルが素晴らしい。エレクトロサイケ的な楽曲の雰囲気は、コラボレーションのバランスの良さを感じる。浮遊感を伴ったシンセサイザーのアルペジエイターや、ミニマルなバンドサウンドの中で奔放に美しく揺らぐボーカルがとても美しい。

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