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Fuse One - Ice

CTIでのアルバムも素晴らしいが、一連のCTIワークス後の1984年の本作もスーパーグループとしての余裕や豊かな音楽性が持ち込まれたクロスオーバーインスト作品に仕上がっている。スティーブガッドとウィルリーが放つグルーヴが細かなアレンジを太く支える聴き応えのあるアルバムだ。

タイトル曲Iceは、イントロから尖った8分音符で裏のグルーヴを感じさせるリズム隊の確実な演奏が素晴らしい。ホーンセクションと透明感あるシンセサイザーがテーマを奏でた後にメロディアスなトランペットのソロに入るがこのソロとそのブレイクをはさんでベースラインが動きだす瞬間の組み合わせが心地よい。

Just Funkin' Aroundは、モータウンのザ・コーポレーションを連想させるようなアレンジも垣間見るポップでソウルフルなテイストを持ちつつ、基本はワンコードのファンクスタイルを崩さない、こういった優れたバランスをそのまま持ち込める力量に圧倒される。

Fuse itは、複雑にからみあうフレーズが極めて技巧的なはずだがどこかしなやかな質感があり、結果として心地よいサウンドに収まっている全体のアレンジと構成力が素晴らしい。特にギターのコードワークを支えるカッティングと、その合間を縫うようなドラミングの組み合わせが印象的だ。

(Takeshi Tadaさん、Fuse One教えてくださいましてありがとうございました!)

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