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La Buena Vida - Vidania

スペインを拠点に活動するギターポップバンドの2006年作。アコースティックな響きに包まれたバンドサウンドは非常に安定感があり、メランコリックな雰囲気を伴ったピアノとストリングスアレンジがとても美しいアルバムだ。元々は”twee pop”と言われるような日常生活を歌った自然体のバンドだったが、活動後期にはオーケストレーションを活用したアレンジが印象的な楽曲が増えていく。本作はまさにそういったアレンジが随所に活かされた作品だと思う。

Autobusesは、メジャーセブンのコードが美しいアコースティックギターのストロークに透明感ある女性ボーカルでシンプルなネオアコースティック的アプローチから始まる。徐々にバンドが折り重なる様はベルアンドセバスチャンを連想する。とても自然な演奏が心地よい。

La Mitad De Nuestras Vidasは、Half of life、人生の半分という意味のタイトルを持つ。生きる事を花火に例えて、一瞬の幸せを最後まで楽しもうという歌詞がとても美しい。エバーグリーンなメロディーに乗せた淡く優しさに満ちた歌にとても惹き込まれる。

El Fin Del Mundoは、やや性急なエイトビートにメランコリックなコード進行の組み合わせで静かに続くサウンドが心地よい。流麗なメロディとピアノの組み合わせが素晴らしい。アップテンポでありながら落ち着いた感触を伴った余韻が印象的だ。

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