Lonnie Liston Smith - Cosmic Funk
1974年に発表された本作は、ジョンコルトレーンやウェインショーターの楽曲を取り上げたスピリチュアルさとクロスオーバーなファンキーさが入り混じるアルバムだ。宇宙とファンクの組み合わせは1970年代後半にも続くアフロフューチャリズム的な要素のようでもあり、両者を分解して示すロニーリストンスミスのアプローチはそれらに対するある種のクールな見方の表れでもあるのかもしれない。
Cosmic Funkは、この時期のアーチーシェップにも似た力強いリズムとシャウトが印象的なファンクアプローチが素晴らしい。ベースフレーズの複雑さと組み合わさるドラミングにはどこか数学的な要素がありとても面白い。
続くFootprintは、ウェインショーターの持つ浮遊感を活かしつつ、やはりベースラインがとても美しい。幾何学的なピアノアプローチはどこか覚醒した雰囲気があり、スピリチュアル一色ではないところが印象的だ。
Naimaは、アルバム最後に配置されたコルトレーンの作品だが、ゆったりしたボーカルとメロウなエレピによるクロスオーバー的なアレンジの中で大仰にならず静謐な楽想が静かに組み立てられていく様が美しい。
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