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Swami Sound - Back In The Day

Bandcampで話題になったNYCガラージを確立したと言われるアルバム。2023年リリース。筆者は、Mi Sabor Cafe (YouTube)を通じてSwamiを知った。2ステップを軸にしつつ決してラジカルな動きではなく安心感を伴う電子音楽のスタイルをDIYレイヴの中で展開するシャイな人というイメージだ。本作を筆者はリスニングアルバムとして楽しんだ。

Swamiは自身のBandcampで2018年頃から音源を公開しておりその数はからりの量になる。アルバムとしては本作が初めてのリリースになるがその意味ではNYCガラージはコロナ以前からその土壌が徐々に形成されていき、ポストコロナレイヴシーンが再構築されていく中で一気に話題になったということのようだ。そういった時期的な背景もあるかもしれないが穏やでリヴァーブが深いメロディーが印象的な曲が多い。

冒頭のMidnight Dominatorは1990年代のドラムンベース的アプローチを見せつつ、上物は完全にSwamiスタイルでこの組み合わせがとても上品だ。続くBack In the DayはCVMILLEを迎えたこれも静かなメロディーに包まれたトラックだ。ここからコード進行も美しいFavourite Songへの流れは非常にスムーズだ。Favourite Songはメジャー7thのコードが深く響くメロウソウルの雰囲気も湛えた仕上がりになっている。

やや実験的な中盤から後半は次第にクラブ色が強くなる瞬間がある。ささやくようにエコーの奥で歌われるI Saidなど引き続きヴォーカルラインを楽しめるトラックが多い。Back In the Dayの4つ打ち Soulecta Dubバージョンはテックハウスの要素も感じつつオリジナルトラックの静けさを残したバージョンに仕上がっている。全体通じてリスニング向けにも楽しめるアルバムという印象であらためてNYCガラージの面白さを認識した。

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