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NewJeans - Get Up

リリース以来話題になっていたNewJeansの新譜は明確にUKガラージに寄せたサウンドが素晴らしかった。ヴォーカルはあまりチョップせずにメロディーをしっかり打ち出しつつ、トラック全体の音数は絞り込み、比較的短めの楽曲で構成、英語コンテンツに絞り込んだ作りで2023年のエンターテイメントを凝縮するとこういう形になるのかもしれないと思わせる密度の濃いシングルだった。

冒頭のNew Jeansはアーティスト名とは異なり単語を離す表記になっている。最初に4小節サビのコードをループ、UKガラージリズムトラック4小節、続いてフックになるサビ12小節、ここまでで楽曲の概ね半分くらいまでを使い切っている。その後おそらくメインヴォーカルが入れ替わって2種類のブリッジが歌われた後、サビに戻り、再びブリッジ部分があって楽曲が終わる。

このNew Jeansのサビは4小節の掴みの後、リフレインを中心とした旋律で8小節が組まれておりフックを構成している。ごく自然に全体の小節数を短くする手法がとても有効だと感じる。またサビを繰り返して終わるといったような歌物要素ではなくUKガラージリズムトラック色を活かしたパーツで終わることが押し出されているところも印象的だった。

ETAはリードトラック指定されていて、明確にパッド系のサウンドが楽曲構成に濃淡をつけていて分かりやすい。一方でリズムの作りは極めてシンプルで音数を出し過ぎないバランスが素晴らしい。またおそらくこれまでのUKガラージではチョップしたであろうメロディーのポイントがすべて残されているところは歌物としてのバランスを感じた。Cool With Youの冒頭のメロウなパーツや短いGet Upに今後の音楽的な可能性を感じた。全体として非常に聞きやすくよく練られた作品だと思う。

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