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Do Make Say Think - & Yet & Yet

トロントを拠点に活動するいDo Make Say Think、2002年のアルバム。ポストロック直球の端正でミニマルな空間とカンタベリーの流れを汲んだプログレ色の折り重なるインスト作品だ。演奏したものをそのまま記録しているように感じるが、質感はどことなくエレクトロニカ的なフラットな印象もあり不思議な感触をもった仕上がりになっている。

冒頭のClassic Noodlandingは、ノイズコラージュを僅かに織り混ぜつつ美しいアルペジオのミニマルなアプローチとポストロックらしいドラムの複雑な演奏がリードする。楽曲の前半部分約2分にわたる静かなイントロを経てエイトビートが刻まれる瞬間の開放感がとても美しい。

White Light Ofは、やはり静かなギターのアルペジオがリードするが、ドラムが非常にタイトで両者の対照的な組み合わせが面白い。基本的にはドラム以外の全てのパートが淡く抽象画のような質感を漂わせている。ドラムが徐々に2トラックで異なるアプローチを見せるズレはミニマルミュージックにも通じる世界観を感じる。

Soul And Onwardは、かなり細かなエディットが施されているのではないかと思わせる繊細なアレンジだ。ミュージカルソーを連想するゆったりと奏でられる旋律が決してフロントには位置しないポジションから静かに語りかける。中盤から質感が切り替わりサウンドに厚みが増す瞬間が素晴らしい。

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