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Space Kelly - My Favourite Songbook, Vol. 2

ケンスティーンがフラッフィーピローズ解散後にはじめたユニットがスペースケリーだ。本作は2008年にリリースされているがスペースケリーによるカバー集の第2弾ということになる。ソングライター達が残した1960年代から1970年代にかけてのポップスが選曲されているが、演奏含めて素晴らしい仕上がりだ。

冒頭はラヴィンスプーンフルのDo You Believe In Magic、オープニングにふさわしい勢いあるピアノとシャッフルを刻むドラムが素晴らしい。フックのコーラスを含めて素晴らしい仕上がりだ。続くのはカーペンターズの、あるいはロジャーニコルス自身によるレコーディングも素晴らしいI Won't Last a Day Without Youだが、オリジナルの完成度が高いだけにカバーも難しいと思われるところごく自然なアプローチが美しい。

CSN&YのOur Houseをかなりオリジナルに忠実にカバーする3曲目はメロディーもそうだがあらためて下降するベースラインとコードの美しさに気付かされる。しかし筆者としては本作のクライマックスは、My Name Is Jackだと思っている。オリジナルのエレピからはじまるイントロをしっかり押さえて、SEや歌い方含めて深い愛情を感じる。シンプルな楽曲の良さをそのまま引き出していて聞き入ってしまう。

他にもニックドレイクのWay to Blueなど、選曲、曲順とも絶妙で突出しすぎないアレンジや音色と朴訥な歌い方を含めて何もかもが自然で素晴らしい。

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