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Don Cherry - Modern Art: Live In Stockholm 1977

本作は1977年のライヴが後年音源化されたもの。ドンチェリーはポストフリー期の様々なアプローチがそれぞれに充実しつつ変節が激しいイメージがあるが、この頃は大集団でのフリーから徐々にスピリチュアルに向かいつつある過渡期かもしれない。演奏は非常にシンプルに削ぎ落とされている一方、アプローチは多様でユーモアも感じられる仕上がりになっている。

Love Trainは、音数の少ないドンチェリーのトランペットにパーカッションがかすかに鳴り響くだけのミニマルなトラックだが、ユニゾンで追いつく管楽器やゆっくりとフリーに向かうアプローチはポストフリーらしい構成力だと思う。終盤、管楽器に呼応するGeorg Wadeniusのギターがとても印象的だ。

Eagle Eyeは、静寂の中でのやや土着的なDon Cherryのソロフレーズを軸にわずかなパーカッションを従えつつ組み立てられている。空間をさぐるようなオーガニックな展開はコンテンポラリーなアンビエント、ニューエイジサウンドにも通じるように感じる。

Californiaは、ボイスパフォーマンスとピアノ、ギターによる冒頭から徐々にリズミカルなパーカッションにワウギターが折り重なるファンキーな作りが素晴らしい。スピリチュアルファンクというような空気感の中でオーディエンスのダニーハザウェイLIVEを思わせるハンドクラップと共に徐々にテンションを上げていく様に惹き込まれる。

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