![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/141308999/rectangle_large_type_2_24e4264d54f4f3f4f86636a52feb5c4e.png?width=800)
J Dilla - Donuts
語り尽くされたJ Dillaのインストビートアルバムでありラストアルバム。本作は1分前後のトラックがほぼノンストップで31曲収録されている。膨大なサンプリングによって築き上げられたコラージュは、同じ西海岸を拠点に制作されたヴァンダイクパークスの初期のアルバムのようにエモーショナルな雰囲気を感じる。ヒップホップ的なバックグラウンドをどこかアウトする勢いがとても印象的なアルバムだ。
短いイントロダクションに続くWorkinonitは、Beastie BoysのThe New Styleをサンプリングしている。アルバム冒頭にNew Styleを引用するというのはおそらく何らかメッセージであろうと受け止める。また本作中ではもっとも長尺なトラックになっておりこの点も非常に意味のあるアプローチではないかと思う。
Dionne WarwickのYou’re Gonna Need MeをサンプリングしたStopは、メロウサヤエモーショナルな雰囲気が素晴らしい。長めのサンプルでオリジナルの雰囲気を継承しているが使われ方は後年のVaporwaveにも通じる不思議な歪みを感じる。とても美しい。
Bye.は、Isley BrothersのDon’t Say Goodnightを引用している。ここでもメロウな雰囲気を保っているが、タイトルのBye.からは本作が遺作であることをどうしても思わずにはいられない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?