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Yellowman - Mister Yellowman

1980年代にダンスホール系DJとして活躍したYellowmanのごく初期のアルバム。ルーツ系レゲエが徐々にダンスホールに切り替わる時期のダンスホールアルバムらしい軽妙さとポピュリズムに彩られた作風だが、それはもしかしたら経済的な豊かさに比例した移り変わりそのものなのかもしれない。本作に感じられるエンターテイメント性からはそういったバックグラウンドを想像してしまう。

Nasty Sat Upon the Rockは、ブレイクとワンドロップが印象的なトラックに乗せたYellowmanの流れるようなトースティングが素晴らしい。随所に差し込まれるオルバンの短いフレーズの飄々としたアプローチはルーツとダンスホールをつなぐ絶妙なアレンジのように思う。

Mr Chinは、代表曲と言われる事が多い。冒頭は不思議な電子音から始まり、言葉やサウンドの随所にユーモアが詰め込まれた楽曲だ。言葉遊びの裏でミニマルなベースラインがリズムを手堅く盛り上げるアレンジも心地よい。

Yellowman Getting Marriedは、軽妙なフィーリングがYellowmanらしさを全面に打ち出した楽曲だ。前半、リズムは裏拍を強調しすぎないコンテンポラリーなアレンジが施されている分、シンプルにメロディーの魅力が伝わってくる。後半、徐々にグルーヴが複雑になっていく一方で飄々としたフィーリングは変わらず続いていく。この辺りのバランスがとても面白い。

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