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Soul Mission - View

1990年代のあらゆる要素を詰め込んだようなアルバム。例えば1990年代初頭のころのインディーダンスも中盤のシカゴ系もその後のブリットポップやその間常に流れているネオサイケ的な要素も全てある。島田正史や松田岳二、高木壮太等、一人一人のセンスもこういう時には無難に終始しがちなところを存分にアイディアが詰め込まれている。心地よい。

冒頭のVan Pelt In Long Silly Dayは、StereolabishであったりLOWの頃のBowieであったりというようなオープニングからサンプリングヴォイスを挟んでミニマルに展開していく。Itchycoo Parkは冒頭との対比ではグランジ要素もありつつ1980年代風のシーケンスフレーズに折り重なるヴォーカルが素晴らしい。

タイトル曲は意外にもサザンロック風のアプローチを絡める一方でフルートによる旋律がサントラ的でもあり後半の盛り上がりは力強く持ち寄られたアイディアの豊富さであったりミュージックラバーの意気込みが感じられる展開だ。Super Starはアシッドジャズ復興のオルガンと前のめりのヴォーカルがとてもクールだ。We All Live Togehterはメロディーが美しいメロウソウルを響かせている。

アルバム最後は冒頭と同名曲が配置されており長尺でサイケデリックなアレンジが披露される。ミュージックラバーが集まって好きな音楽を持ち寄ってアルバムを作り上げる、それだけでも夢のあるプロセスだと感じるが本作はそれを空中分解させずアルバムの形できっちりまとめ上げているところが素晴らしい。

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