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Oscar Jerome - Breathe Deep

Kokorokoと並行しソロ活動を行なっていたオスカージェロームがバンドを脱退してソロに専念、本作はその2020年のファーストアルバムだ。Kokoroko同様の穏やかで壮大さを併せ持つアフロビートを思わせるギターリフもあるが、ソロでは王少し音楽表現を広げている。自身が語る通りジョージベンソンなどはルーツとして明らかに感じられるがそれだけでなく、トムモレロのようなサウンドの組み立て方にも影響を受けたという。

Searching for Aliensは、やわらかなギターソロインプロに音響処理が施されたバンドとは異なるアプローチだ。続くSun for Someoneもダブを思わせるアプローチを見せつつ、一方で細かな16ビートのカッティングはアフロビートも感じつつリズムに乗せた乾いた歌メロが美しい。

Give Back What U Stole from Meは、ドラムソロが美しい。引き締まったソロのあと、ラップに移る冒頭のシーンの切り替わりが見事だ。Coy Moonはアフロビートの影響を反映しつつ細かく粒立ったグルーヴをBPMを落としてクールに演奏する静かだが躍動感あるリズムが特に中盤のダブ処理も含めて素晴らしい。TImelessは西海岸のチルアプローチも感じつつやはりアフリカンビートをメロウに解釈した素晴らしいアプローチだと思う。またラストのJoi Is Youはレゲエに近いギターでリラックスした歌が心地よい。

ソロ最初のアルバムだからなのかあらゆる音楽的なバックボーンをつぎ込んだ作品になっており、散漫になりがちなところをゆったりした感触でしっかりまとめ上げた力作だと思う。

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