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Ensemble 0 - Jojoni (Made to Measure, Vol. 49)

2023年の本作は、解説によれば日本語の「徐々に」を意味するタイトルのようだ。3人のメンバーは各々フランス、スペイン、ベルギーを拠点にしており、セッションによって作られた。Ensemble 0というユニットは元々、日本に遠征しての演奏を想定した小編成を前提に作られたらしい。結果、小規模のエレクトロニクスとアコースティックギターによるミニマルなアプローチというのがこのトリオの特徴になっており、本作でもそれは貫かれている。

冒頭のJojoni1は、ギターの細かなパッセージん粒立ちの明確なエレクトリックパーカッションとリズムボックスがからみあうEnsemble 0らしいアレンジの楽曲からはじまる。アプローチは非常にミニマルだが叙情的な和声と透明感ある旋律がエモーショナルだ。

Jojoni3は、ギターのアルペジオからはじまりアコースティック寄りのサウンドになっている。一方でフィーリングは極めてフラットな印象を受ける。エレクトロニクスとアコースティック双方の使い方が通常思いつくアプローチと比べると対照的で面白い。

Jojoni6は、性急なリズムボックスが初期のミニマルテクノを連想させる。このビートが終始続くが、中盤から徐々に入るさざなみのようなギターのストロークが2000年代のエレクトロニカを思わせるスタイルで美しさを放っている。

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