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of Montreal - Lady on the Cusp

カオティックで複雑なバックトラックがケビンの世界観と歌にしっかり噛み合っている本作は2024年の作品になる。Elephant 6の拠点であるジョージア州アセンズから場所を移して制作された本作はサイケポップ感はいつも通りだがどことなくタフな側面も見られるような気がする。

Music Hurts the Headは、ケビンらしいリズムトラックの質感に穏やかな和声が素晴らしい。コーラスを交えながら進行するメロディーはいつも通り流麗だ。of Montreamは多様なスタイルを持っているがアルバムの1曲目で大抵その方向性を示しているように思う。本作でもアコースティックアンサンブルのイメージとエレクトロのミクスチュアアプローチの要素はこの曲に概ね詰め込まれている。

Rude Girl on Rotationは、アコースティックギターとシンプルなエイトビートにサイケデリックなベースの組み合わせが心地よい。そこにやはり流麗なメロディーが覆いかぶさることでシルキーな楽曲に仕上がっている。とても美しい楽曲だと思う。

Soporific Cellは、マイナーコードによる叙情的なピアノのブロックコードと乖離の大きいメロディーにシーンが切り替わる事にアレンジを変える複雑な構成で、穏やかだがカラフルな楽曲になっている。エレクトロの混ざり具合が非常に上品で素晴らしい。

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