見出し画像

Lonnie Liston Smith and The Cosmic Echoes - Expansions

強弱がアタックで表現困難なエレピはむしろ上品でとても美しい。1974年の本作や、1972年のReturn to Foreverはまさにそういう効果が活きたアルバムだと思う。The Cosmic Echoesとしての安定感ある演奏と煌びやかなパーカッションも含めておそらく熱量の高い演奏であるはずなのにどこか涼しげな美しさがあるのはそういう所かもしれないなと感じる。

冒頭のタイトル曲、Expansionsはトライアングルに続くベースのワンコードフレーズがひたすら素晴らしい。シンプルな2小節のリフレインがとてもファンキーに楽曲を牽引する。ボーカルのメロディーラインはベースの動きとは対照的にゆったりした旋律でその組み合わせが素晴らしい。フルートソロに続くエレピのソロは、細かいパッセージとボーカルに準じたゆったりしたフレーズが折り重なるがとても上品に響く。

Summer Daysは、ブラジリアンポップ的なリズムアプローチにメロディアスなホーンセクションのメロディーが心地よい。ラウンジテイストの出過ぎないアレンジが素晴らしい。サックスソロ、ピアノソロとリズムやパーカッションの雰囲気に乗せた南国風の響きが心地よい。

Shadowsは、ディレイを効かせたエレピの短いフレーズでバッキングを支えているところがタイトルを写実的に表しているように思える素晴らしいアイディアだ。挟み込まれる転調の美しさや終始落ち着いたリズム等、やはりラウンジテイストを感じさせるアレンジが素晴らしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?