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Patrick Jahn - San Sebastian
2019年にYoung Society Recordsから発表された本作はバレアリック〜ダウンテンポのゆるやかな多幸感に溢れた作品だ。全編通して美しいコード進行とゆったりしたビートが心地よく流れるスタイルはエレクトロなアプローチとラウンジミュージックの流れを心地よく重ね合わせたような上品さがある。
冒頭のSan Sebastianは、メジャーコードとマイナーコードを混ぜた独特の質感とフックの下降するベースラインからイージーリスニング的な穏やかさを強く感じる一方でタイトなリズムが大きく出過ぎない程度に全編を覆っている。オーケストレーションが剥ぎ取られた終盤の展開でこのメジャーとマイナーの不思議な構成が解体されるが不思議な心地よさがある。
646 Ocean Dreamは、フィールドレコーディングと思われるビーチの音響から徐々に上品で静かなビートが入る冒頭の夢見心地な展開が素晴らしい。続く展開ではやはり下降するコードが効果的に使われている。徐々に加わるミニマルテクノを連想させるシンセベース等、タイトル曲と後に続く曲との繋ぎを果たす伏線の多い楽曲であり興味深い。
Uuuu Uuuuは、バレアリックなビートがループする幻想的な前半部分から徐々に切り込んでいくディレイの効いたシーケンスフレーズによるミニマルテクノ的なアプローチにゆっくりと表情を変えていく様がとても上品で美しい。
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