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VA - ハードコア不法集会 Hardcore Unlawful Assembly

(本作の配信はありませんでした。代わりに本作等の収録作品とその周辺の作品を集めたプレイリストを見つけました)

1984年にリリースされた本作は2024年にリイシューされて話題になった。まず本作はCrassのジーバウチャーのような一貫性のあるアートワークに惹かれた。ジャケットのクレジットからアートワークを手がけたのはAAレコーズを率いるLaughin´ Noseのメンバーであることが分かった。参加しているバンドアーティストもLaughin´ Noseの他、GISM等アート志向をみせるバンドも多く1980年代の日本のハードコアシーンの多様な展開を想像させる。

冒頭、Laughin´ NoseのI Can't Trust A Womanは、一貫して非常にノイズ度合いの高いギターとハードコア的なスピード感を骨格に保ちつつ、キャッチーなメロディーやブレイクのベースフレーズのほか間奏で使われるSE的なサウンドやハモニカの使用などアイディアに満ちた楽曲だと思う。

GISMのNervous Corpsは、ミュージックコンクレート的なアプローチが素晴らしい。楽曲は冒頭からさまざまなサウンドがコラージュされたトラックが終始流れている。その中でヘビーなベースとドラムが印象的なアプローチが続く。実験的なアプローチの中にハードコアの枠組みを織り込んだ仕上がりが素晴らしい。

OutoのI Like Colaは、本作中もっとも勢いのあるトラックの一つではないかと思う。スピードや全てのパートの一貫した疾走感が素晴らしい。構成やほぼタイトルを叫ぶのみの歌詞を含めてミニマルな作りはハードコアのイメージを体現していると思う。

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