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CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN - Correspondances

コンセプトを打ち立ててそこに従ってサウンドを追求していく姿勢にアーティストコレクティブ的な要素を感じさせる。その分、いわゆるバンドの括りからは少し外れるかもしれない。それ自体は新しいものではないのかもしれないが、とても面白いスタイルだと思う。2024年に発表された本作は音像なのか、音色なのか、質感と役割が一層明確になったような印象を受けた。

アダンの海辺は、奄美大島で得たインスピレーションとその奄美の自然を描き続けた画家田中一村の作品「アダンの海辺」をベースに作られたものだというレビューがあった。プリミティブなリズムとそれらを覆うゆったりした電子音の構成が心地よい。

タイトル曲であるCorrespondances は、エキゾチカエレクトロを思わせるSEと実験的なリズムから始まる。ピアノのブロックコードが入ると楽曲の骨格が見えてくるが、アダンの海辺からの流れが歌詞に織り込まれているところが面白い淡いメロディーとタイトなピアノの組み合わせで静かに進行していく実験的な楽曲だ。

声を聞かせては、もっとも明確にポップな展開をもった楽曲だ。キューバ直系のリズミカルなアルペジオとドラムアプローチにエレクトロニカ的な電子音の揺らぎが加わるこのバンドらしい展開を持った表情豊かな楽曲だ。

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