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The Doors - The Soft Parade
冒頭からストリングスのアレンジに驚く本作は1969年、彼らの4作目になるアルバムだ。ハクスリーの著作から拝借したというバンド名や、ジムモリソンの生涯や彼の残した言葉の鋭さはともすると本作の柔らかなアレンジにしっくりこない部分があるのかもしれない。それでも筆者はドアーズというと本作を思い浮かべる。
Tell All The Peopleはオーケストレーションもコーラスも含めて壮大な作りで本作の方向性を示している。その方向性のままシングルヒットしたTouch Meの勢いある雰囲気に流れていくがとても自然で素晴らしい。この曲は初期の頃からのドアーズが持っているプリミティブなリズムやオルガン要素も随所に織り交ぜつつ、フレーズそのものをホーンで補う新しさやポップなメロディーと歌詞もドラマティックなエンディングも素晴らしい。
Do Itはシアトリカルな始まりから不思議なフレーズを折り重ねながらロック然としたアレンジを率いつつアヴァンポップに仕上げていてむしろ今とてもモダンな響きに感じる。その後ブルースロックやカントリー色が入り混じる多様な楽曲が続く。どの曲もオーケストレーションが随所に光る。
Wishful Sinfulは再びサイケデリックなコード進行が素晴らしい。楽曲自体は軽めのトーンでこういうポップな要素はむしろドアーズらしいと筆者は思っている。ラストのThe Soft Paradeは長尺な楽曲でこの曲でようやく陰影を帯びたジャケット写真が見えてくる気がする。本作に詰め込まれたあらゆる要素が詰め込まれている。
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