Bitchin Bajas・Bonnie Prince Billy - Epic Jammers and Fortunate Little Ditties

ボニープリンスが今回組んだのはラジカルなドローン作の多いビッチンバハス。SSWらしさと親しみやすいフレーズをミニマルな残響音が覆う。Drag CityからのリリースでUSインディーに脈々と受け継がれているサイケデリックフォークの素晴らしい作品の一つだと思う。

May Life Throw You a Pleasant Curveと続くNature Makes Us ofr Ourselvesはミニマルに繰り返されるフォーキーだがエレクトロニカ的な要素を感じる素晴らしいバックの演奏に美しく寄り添う歌メロが印象的だ。乾いたメロディーと淡くエディットされたフォークトロニカ要素が見事に重なり合っている。

Your Whole Family Are Wellはタイトルを繰り返すエコーの効いたボーカルにドローンで瞑想的な雰囲気を醸し出している。中盤からのコーラスの相性が素晴らしく良い。永遠に繰り返されるような不思議な時間の流れがそこにある。徐々にノイズ混じりの音の洪水に呑み込まれていく様が素晴らしい。

Show Your Love and Your Love Will Be Returnedは、ドローンの陶酔的な美しさのなかに微かに聞こえる歌の淡さがむしろ印象的だ。SSWがフォークトロニカにごく自然に溶け込んだとても淡く幻想的なアルバムだと思う。