Cornelius - Ethereal Essence

2024年、アンビエント色の強い作品を中心に再構築したアルバム。豊かな音楽性をそのまま落とし込み、サウンドロゴを活かしながら新しい切り口を差し出すようなアプローチはコーネリアスらしい。それらの集積が結果として編集盤ながらどことなくテーマを感じさせる作りになっているように感じる。

Quantum Ghostsは、シンセサイザーによるミニマルな音色と構成で質感をそろえつつ、細かなパッセージでエレクトロニカを感じさせるインストだ。細かなミニマルフレーズの積み重ねで徐々に盛り上がりを作っていく様やコードとベースライン、リバーブの抜き差しなどコーネリアスらしいエッセンスが多く投入されているが音色はシンプルにまとめられておりその対比が面白い。

サウナ好きすぎ、より深くは、近年のメロウな歌のアプローチが活かされたとても美しい作品だと思う。バンド編成のエッセンスが凝縮されている。ユーモアや音響とシリアスさが入り混じる仕上がりが印象的だ。

Thatness And Therenessは、坂本龍一の楽曲のリモデルとして収録されている。原曲の電子音と朴訥としたボーカルと比較すると全てのアプローチが異なるにもかかわらずフィーリングは踏襲されているところが素晴らしい。とても美しいカバー作品だと思う。