Paul Cherry - Pure Grooves, Vol. 1
台湾のSunset Rollercoasterとのコラボレーションが印象的だったPaul Cherryの2023年作はクロスオーバー色を打ち出したアルバムに仕上がっている。全編通して心地よいクロスオーバーラウンジグルーヴに満ちたコンセプトアルバムだ。
冒頭のFor The Birdsは南国フュージョンを連想するアプローチから後半にはさまれるMCに切り替わところがFMラジオ風の構成になっていて全体のコンセプトを形作っているように思う。続くOur Nightはピアノのブロックコードからはじまるがゆったりしたグルーヴを予感させる始まり方でそのまま期待通りの演奏になだれ込む展開に引き込まれる。
スキャットが美しいDon’t You Wishは、やや高速気味のボッサアレンジになっているがゆったりしたグルーヴはが維持されていてやはり心地よい。アルバム中間には冒頭のMCとのつながりも予感させる電話口のMC、Obsessed Callerがはさまれている。そこからVaporwave以降を思わせるクロスオーバー曲に続く雰囲気が素晴らしい。
再びMC、Longtime Callerをはさんで最後のButterfly Beachに入る。AORバラード的なテーマはまさにラジオ番組のエンドロールを思わせる雰囲気がラストを締め括りにふさわしい楽曲だ。ラジオ番組仕立てのようにも感じる構成と一定のブルーヴを維持しつつめりはりのあるアレンジが印象的なアルバムだ。
(以前紹介したPaul Cherryの作品)
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