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Massacre - Killing Time

1981年の本作は、フレッドフリスによるギタートリオのインスト作品になる。ヘンリーカウからの流れを受けた無調且つポップな中毒性の高いリズムやフレーズが満載の作品。リリース当初、何らかの手違いでオリジナルピッチよりも早回しの形でリリースされていたと聞いたことがある。ポストパンク期の性急なフィーリングは後日修正された正しいピッチによっても十分に伝わるが、早いピッチのバージョンも説得力のある仕上がりだったのではないかと想像する。

Legsは、冒頭からギターのストロークに惹きつけられる。その後、ドラムとベースが加わるが不思議なコード進行とシーンごとに明確に切り分けた構造にフレッドフリスの特異なギターアプローチが最後までテンションを下げずに続く。

Subway Heartは、崩れそうなぎりぎりのラインでノイジーなカッティングを進めるスリリングな冒頭からのアプローチが素晴らしい。その後も奇妙なフレーズとリズムに支えられながら性急なビートを叩き出していく。次第にフリーインプロビゼーション的な領域が増えていく後半のアプローチの緊張感が素晴らしい。

Bonesは、ポストパンクらしいベースラインとアバンギャルドなギターの組み合わせが素晴らしい。ヘンリーカウの流れをノーウェイブやポストパンクに受け渡すのに十分な役割を果たすアプローチだと思う。

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