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Grand Eugène - Les vacances d'été

モントリオールを拠点にするGrand Eugèneによる「夏休み」というタイトルの2024年の6曲入りEP。作曲を担当するギタリストのジェレミーラシャンスが紡ぐポップなメロディーがバンドのメロウなアレンジとメリッサルミューによる柔らかなヴォーカルに乗せて全編心地よくリラックスしてアルバムタイトル通りバカンスを想起させる仕上がりになっている。

Les Heuresは、西海岸経由チカーノソウル的な雰囲気に淡いボーカルが乗るメロウスタイルが素晴らしい。”Hours”を意味するフランス語によるタイトルとゆったりしたビートからとてもエモーショナルな感情を引き出す効果的な楽曲だと思う。

Stpは、シティポップや1990年代のメロウファンクにも通じるしなやかさがあるように感じる。ギターと鍵盤楽器が奏でる長音が響かせる和声がそうさせる部分がありそうだ。シンプルな構成が繰り返されるがとても美しい。ミニマルな中で溶けるようなギターソロが配置されているがひらめきに満ちたソロが素晴らしい。

Mile Endは、シンプルなUSインディーポップに近い雰囲気のあるエイトビートが心地よい。
メロウなアルバムの中では意外な楽曲だが、曲調はこれまでのGrand Eugèneの作品の延長にも感じられる。自身の王道アプローチの作品かもしれない。その意味では楽曲構成にも安定感がある。間奏を含めてバンドが疾走しボーカルが淡く歌う相互のバランスが素晴らしい。

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