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John Tejada - Logic Memory Center

2004年の本作はエレクトロニカからテックハウスに向けて徐々にアプローチを確立していくJohn Tejadaの過渡期の魅力が詰まった1枚だと思う。削ぎ落とされたミニマルな響きとシンプルだが相当厳選したであろう音の質感にエレクトロニカ的な淡さやポップな側面が入り混じったとても美しい作品だと思う。

冒頭のStrange Creaturesは、Herbertを思わせる質感とボイスの使い方が素晴らしいとてもポップな1曲だが、ベースラインの削ぎ落とされたパターンはとても硬質な印象もある。ワンコードで押していくことを意識させないメロディーの埋め込み方が心地よい。

Everything Will Be OKは、よりテックハウスに近いアプローチになっている。朴訥とした歌が楽曲を切り開くがその後の展開はサンプリングフレーズの配置でみせていく。この両者の静かな関係が面白い。

Loose Changeは、エレクトロニカ的なループを思わせるサウンドが繰り返される中にボイスや短いフレーズが詰め込まれている。ペリー&キングスレイなどレトロエレクトロなアプローチも感じる音の並べ方がとても面白い。中盤以降、音数が増えていくところもリズムトラックは一貫してミニマルなスタイルを崩さない。そのバランスがとても素晴らしい。

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