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Jean-Pierre Mirouze - Le mariage collectif (Original Motion Picture Soundtrack)

音楽系の娯楽番組のサウンドディレクターでもあったジャンピエールミルーズが制作したフランス・デンマーク合作映画「集団結婚」のサントラ。解説によると実際には1971年当時はテストプレスしか制作されなかったようだ。映画自体も評価の限りでは特段の評価は残されておらず、テストプレスを発掘してリリースしたBORN BAD RECORDSの決意は素晴らしい。

サウンドはラウンジ色の強い洗練されたオーケストレーションと多様な音楽がサントラらしさを彩っているが、時折感じるラジカルなアプローチが結果として音楽を際立たせているように思う。このあたりは映画そのもののプレッシャーが無く一定の枠組みはあるものの比較的自由に製作できる環境だったのではないかと想像している。

ラジカルさを最も感じたのは、Sexopolisという曲で冒頭はアンビエントドローンのような導入だがスネアの一音から一転して、オルガンが牽引するファンキーなラウンジファンクに切り替わる。オーケストラとオルガンの旋律がブレイクごとに有機的に重なるアレンジが素晴らしく、中盤に展開するメロディーも美しい。

同じくファンキーなアプローチのUlla et Georgieは、連打されるパーカッションがディレイ効果を伴って迫る中でのストリングスの上昇やフリーキーなサックスなど、各々の演奏に聞き所が多い。また、Lovers Partyではアコースティックギターやシタールを伴ったサイケフォーク色ある重厚なラウンジミュージックが際立っている。

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