見出し画像

繋がる縁もあれば、切れる縁もある

我が家の主治医(内科医)は、相方の高校時代の同級生で、公私ともに付き合いのある間柄。その主治医がある時、腰を痛めてしまった。

なんと車イスで患者を診る始末。手術するのかなぁと心配していたら、自ら車を運転して元気な足取りで我が家に現れた。

鍼で治したのだと言う。

「へぇ、医者でも鍼治療に頼るのかぁ」

こんな前段階があって、今度は私が腰痛に。足の先まで痺れてしまって、「そういえば、主治医は鍼で治ったと言ってたけど、どこの鍼灸院かな? 教えてもらおう」

電話番号を聞いて、初めて電話したのは、もう4~5年前。予約制だったので、予約をお願いしようとしたところ、症状を聞いた先生は「今から来れる? すぐ来なさい。最後になるけど入れてあげるよ」。

こんな縁で始まった鍼灸院と、それから数年にわたる長いお付き合い。私はすっかり良くなって、大病をした相方をメンテしてもらってる。

治療時間はおよそ1時間。

会計は「1人2000円です」

え??? 意味不明。冗談???? 初めての会計時はビックリした。

「うちは開業以来(多分40年間)ずっとこの料金。この街には、痛いのを我慢して働いている人も多いからね。気軽に来れるように、上げてないよ」

東京で、経験豊かな腕の良い鍼灸師に、同じ治療を受けたら、通常は8千円。なかには飛び切り高い先生も居て、1回4万円のところもある。

それがたったの2000円。御年75歳ながらバリバリ元気で、あと10年位は面倒を見てもらえそうだ。

患者さんが多いから、×2000円でも十分ペイできる人気の治療院ではあるけれど、それにしても2000円ってどうなのさ。

その代わり、この先生、わがままな患者はバシバシと切って捨てる。

「何回通ったら良くなるの、早く治してほしいんだけど?」

「頭が痛いし肩は凝る。腰も痛い。足が重い。眼もしばしばする、何とかして」

こんな人には冷たいです、はい。観察していると、運動や食生活など、自分で努力しない人、他人任せの人、偉そうな人、こんな患者さんは適当にあしらって追い返している。

先生の人柄とマッチする患者さんが集うせいか、待合室はいつも和気あいあい。それぞれ痛みや悩みを抱えているだろうに、笑いが絶えない空間になっている。

しかし、先生の息子さんたちも医療従事者(医師と看護師)だから、中医学と西洋医学に裏付けられた健康アドバイスは手厳しく、わが家も食生活や運動方法などの指導を受けている。

人の縁とは不思議。繋がる縁があって、切れる縁もある。

小さな縁がいくつもあって、それぞれが重なったり、千切れたり、反発しあったり、くっついたり離れたり、大きくなったり、小さくなったり。

経験豊富な鍼灸治療院という縁のおかげで、今日も元気な私たち夫婦です。

そしてまた、この「note」 を通して、見知らぬ人たちの考えや思いに触れ、刺激を受けあえるのも、きっと素敵な縁なのだなぁ。

ゴールデンシャワー咲き誇る今日の沖縄