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生物のゆらぎ




植物の葉には、単細胞の原生生物がいます。
葉緑素である「ミドリムシ」の属もそれにあたります。

それらの原生生物は、つねに一定の方向にうごいていて、うごくための3つの性質を持っています。

一つは、ゆらぐことです。2つの方向、選択肢をつくります。

もう一つは、2つを比較して、いい方向を選択することです。

最後に、過去を忘れることです。



植物の中のミドリムシは、光のある方に向かって、まっすぐ進みます。その動きはとても論理的であり、不安定です。
青に向かって進んでいると思ったら、不意にそれぞれが方向を変えて、ピンクの方に進んだりオレンジの方に進んでいき、そう思ったらまた青の方向に進んでいく、そんな感じです。
それぞれが思い思いにゆれて、つねにいいと思う方向に切り換えて動いています。

まっすぐに進む距離が延びている時、その植物は安定しています。波でいうと、大きな振幅になっている状態です。


まっすぐに進む距離が延びる時、それがどんな時かというと、
今進んでいる方向と、切り換える方向を見比べた時に「環境の距離の差」が大きい時です。
色のグラデーションでいうところの、赤からオレンジに方向転換するときより、赤から青に方向転換したときの方が、まっすぐに進む距離が延びるといった感じです。


まっすぐに進んでるあいだにも、つねに2つの方向を選択しつづけています。
そして、今進んでる方向よりいいな、と思った途端にそっちに方向転換して、過去に進んでいた方向をすぐに忘れます。それも、今選択している方向にまっすぐ進むためです。


人の脳も、過去を忘れる、というところでは少し似ているかもしれません。
脳の場合はコントロールしなければ大体の過去は美化されます。
コントロールしたものは未消化のまま残ります。それは、思い出と言われるものです。
でも大半は、その時はあまり良く思わなかった過去も、よかったな〜と思う過去も、美化されたあと、忘れてしまいます。それも今選択している方向にまっすぐ進むためです。


細胞が100個とか、1000個とか、私たちのような数えきれない多細胞生物になると、なんとなくこっちにずっと走っといた方が良さそうだよね、みたいなコントロールができます。
つねに2択を論理的に選択する単細胞生物と比べて、私たちは選択肢も何個も持っている(と錯覚している?)ので、直感勝負みたいなところがあります。
遠くにある光に向かって合理的に進もうとするそのうごきは安定かつ非論理的で、方向は合ってたけど選択をまちがえた!ということも起きますが、それもまた美しく忘れます。

#原生生物
#ゆらぎ運動
#走光性

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