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蔵出し:読者投稿おまとめ日曜特別版(2)from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』 

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです! 今日の蔵出しは「読者の皆さんからの投稿をまとめた日曜特別版(2)です。12回までのアメすんに対して読者の皆様から当時いただいたメールのご紹介です!

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  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』 日曜特別版
       (1999/7/11発行) 第2号   (第2/第4日曜発行)
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日曜版は皆さんからのメールをご紹介する特別版です。まず最初の投書から。

◇初めまして。こんにちは。私はまぐまぐで「アメすん」の第5号から購読しています。すごく海外のことに興味があって、新しい発見なんかもできるので毎回届くのが楽しみになっています。日曜日の特別版もおもしろい!!何でみんなそんなに海外のことに詳しいの?私も行きたーい!!と思っちゃいます。日曜の特別版に私も参加したいのですが、海外事情をなーんにも知らない私は参加できません。残念です。(投書終わり)

一一一前回は、海外特集のようになってしまいましたが、素朴な感想、疑問、なんでも気軽に書いて送ってくださいね。お待ちしています。(さ)
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と言ったものの、次の投書は余りにも強烈でしたので、再び「トイレ特集」へ。
 
◇はじめまして。いつも、楽しく、読ませて頂いています。私は、今イリノイ州(Chicagoから、車で40分くらいのところ)に住んでいます。また、シカゴに来る前に、1週間ほどオレゴンのPortlandに行ったこともあるので、いろいろ共感しながら、読んでいます。
それにしても、初めて、メールさせていただくのに、いきなり件名が「トイレ」なんて、とっても、失礼ですね。ごめんなさい!(..)_ でも、あまりに強烈だったので、どうしても、書きたくなっちゃったんです。

それは、10年前「中国」に行った時のことです。北京市内の、あまり観光客が行かないような(地元民向けの)デパートみたいなところに、行ったんです。で、トイレに行きたくなって、行ったら・・・・・・・・・・・

トイレのドア?もちろん、ありません。だって、壁すら、ないんですもの。便器?「なんですか?それっ?」って感じで、便器がない・・・あるのは、床と、穴のみ・・・異様でしたよ・・・穴にまたがって、丸見えで、用を足している姿!!
(しかも、互いに話しをしながら・・・うぅ~。考えらんないッ!)
さすがに、そこでは、用を足せなくって、タクシーをとばして、近くのホテルのトイレに駆け込みました~(^_^;)

・・・またこれからも、無理しないで、楽しみながら、メルマガの発行を
続けて下さいネ。では、また・・・ (投書終わり)

一一一こ、これはすごいですね。でも、極めていけばトイレに必要なのは「穴」だけなんですよね(?)。ドアがない位では驚いちゃいけませんね。(さ)
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 と、思っていたら、さらに強烈な投書が舞い込んできました。

◇こんにちは。いつも楽しく「アメすん」拝読しております。
私は旅行、それも東南アジア中心の放浪旅行が好きでときどき休暇を取ってはふらっと数週間程度でかけます。旅先で経験したものをいくつかご紹介します。

1.中国(広州)

デパートやホテルのトイレはきれいですが、日本で言う「公衆便所」に相当するところはインパクトがありました。個室の仕切りはありますが、ドアはありません。トイレに入ってくると、みなさんが用を足している姿が丸見えです。スタイルは「和式」です。

特筆すべきなのは、便器です。といっても、いわゆる便器がありません。並んだ5~6個の個室を貫くコンクリートの「溝」が一本あるきりです。日本ではよく道路脇に側溝がありますがあれと同じです。それをまたいで用を足します。

「どうやって流すの?」と素朴な疑問を持たれると思いますが、数分おきに端から自動的にざああーっと水が出て、溜まったやつを流す仕組みになっているのです。ですので、「下流」の方を使っているときに流されるとものすごい光景に出くわしてしまいます。5、6個室×数人分のローテーションの残骸が自分の股間を通過していきます。

さらに、中国の人たちって好奇心旺盛で、しかもとても人なつこい(好意的な言い方をすれば)ので、日本人が公衆便所に入っているのが珍しくて仕方ないのでしょう、数人の現地の方が私の個室の真ん前に立って用(大きい方でした)を足す一部始終を観察してくれました。言葉はよくわかりませんが、なにやらこちら(の尻のあたり)を指さして大声で何か言ったり笑ったりします。用を足し終えた頃には10数人の人だかりに見守られていました。泣きたくなりました。 中国ってすごい、と思いました。

2.ネパール(の山の中)
ネパール東部の山中をトレッキングしているとき、泊まったゲストハウスで
「トイレどこですか?」と聞いたところ、宿のおかみさんは「その辺」と裏山を指さしました。用の後は現地の人は手近な草などで拭くそうです。私は持参していたトイレットペーパーを使いましたが、紙は用後燃やさなければいけません。土に還りにくいからです。

3.ベトナム(ホーチミン市郊外)
川っぷちのレストランでカニを食べ、とてもおいしかったのですが、トイレを借りたところ川の上に造った小屋でした。便器の穴の下はそのまま川です。トイレ自体は衛生的でいいのですが、食べたカニはその川から取れたものですので、ちょっと複雑な気分がしました。「食物連鎖」という言葉がふと浮かびました。      (投書終わり)

一一一以前「トイレの歴史」というような本を立ち読みしたとき、「昔はみんな野原で用を足していた。人口の増加と共にその処理が問題となった」みたいな下りを読んだ記憶があります。元々のトイレの形、もっとオープンで、あっけらかんとしていたのでしょうね。    (さ)
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第9号「おじさん、おばさんはどこに?!」にいただいた投書の抜粋です。
 
◇日本では若いことが1番!という風潮があってホント30過ぎると「オジサン、オバサン」扱いなのですが、私も1度も 自分で「オバサン」だと思ったことはありません!私のなかでは若いことが1番ではないのですから。

◇日本人のこんな残念なコメント、聞いたことありませんか。アメリカでその自由なファッションに目覚め、日本に帰国後、年齢、人目を気にすることなく好きな洋服を着るようになると、「アメリカナイズされた」とかなんとか。そんな考え方をされると、悲しいですね。

◇私がいいなぁと思うのは、歳をとっていても夫婦が手を繋いでいたり、腕を組んでいたり、恋人時代そのままの雰囲気でいるところです。愛情表現の違いでしょうけれど、私も将来そうありたいです。でもその前に相手を探さないと・・・

一一一第9号は実は恐る恐る発信したエピソードでした。洋服だけでなく、自分の年齢、性別、など本来の自分の本質とは関係ないところで、自分に
枠をかけないで生きていこうよ!逆に人のことも、その人の外枠ではなく本質を見るようにしようよ!そんな思いから書いた逸話でした。(さ)

◇私はズ-ト野菜さらださんは 10代から20代前半位の方だと思っていたのでこの前の30代宣言には(”ロ”;)!びっくりさせられました。

一一一この「30代宣言」も実は恐る、恐るでした。がんばれ!30代!(さ)
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第10号「アメリカの花火」に頂いた「おすすめ花火大会」という投書から。

◇野菜さらださん こんにちは。95ー97年にミズーリ州セントルイスに住んでいたあーるです。独立記念日の花火大会は私達家族にとって忘れられないイベントのひとつだったのですがやはり広い広いアメリカのなかではいろいろと違うものですね。

ワシントンD.Cの花火大会も有名ですが、セントルイスの花火大会もリッパです。ミシシッピーリバーで打ち上げるのですが、みんな午後からはビール、ワインを片手にお祭り騒ぎで場所取りです。

30分どころか1時間半ー2時間は上がっていたと思います。それもあのバドワイザーを製造するアンハイザーブッシュ社が大スポンサーになっているということでした。セントルイスは観光地ではないので、とりわけ「遊びに来て下さい!」という土地ではないのですが私達が生活してゆくにはとても暮らし易い所でしたし、この花火大会は見事でした。来年の夏はいかがですか?(終り)

一一一羨ましい限りです。盛大な花火大会、本当に見たいです。この他にも他の花火大会の情報をいただきました。ありがとうございました。(さ)

◇外国の花火はTVで見たくらいですが、やっぱり日本が一番じゃないかな、
と思います。長野オリンピック閉会式の花火なんて、ほんと世界一!感動的でした。日本の花火はただの花火にあらず・・・と思うのは私だけでしょうか。
あげてハイ終わり、という単純なものではなくて、花火師の技術と彼らが表現したい何かが、そこにあるような気がするのです。花火師ってアーティストなのかもしれませんね。(終わり)

一一一私も全く同感です。きめ細かな演出で打ち上げられる、日本の花火が見たいです。この他、花火が大好きで外国に持って行こうとしたら手荷物
検査で引かかった、というメールもいただきました。ご注意を!(さ)
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次は第11号「ファーストネームのマジック」にいただいたメールです。

◇初めまして。いつも楽しく読んでます。NY州の北の方(つまり都会ではない)に住んで8ヶ月になりますが、さらださんと同じ事に気づきました。税金申告用の書類を作りにあるオフィスに行って「○○さん(ラストネーム)と会うことになってるんですが・・・」と言ったところ、返ってきた応えが、「ああ、チャックね!」・・・すごくショックでした。こんな公な場所で受付が客に言う言葉か?と。しかもチャールズじゃなくて「チャック」。私の担当者はジッパーの親戚か?ほどなくして私の旦那が言うことに「でも、アメリカにも敬語はある。会社では言葉の使い方には注意しないと。とくに日本からの赴任者はブロークンな英語でひんしゅくをかうことがあるから。」とのことでした。
また、旅行で宿やレンタカーの予約をするときは必ずラストネームから聞かれますし、ラストネームで呼ばれます。思っていたよりカジュアルな社会ではありませんでした。(終わり)

◇初めまして、「アメすん」の愛読者です。毎回楽しみに読んでます。
特に今回の目上の人に省略形を使わないこと、感動しました。学校じゃ、教えてくれません。学校の英語教育は間違ってるとつくづく思います。
鼻水って日常単語知らないのに、使いもしない難しい単語ばかり知ってるギャップに外国人の方はとまどっていらっしゃるみたいです。うん、うん。もっと実用的な英語教育してもらいたいモンだと思ってしまいます。(終わり)

一一一英語にも丁寧な表現がある、このことをとりあえず覚えておくと、アメリカ人の英語を聞くとき、ちょっと違って聞けるのではと思います(さ)
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その続編、第12号「生きている仮定法」への感想メールから。

◇今回(12号)の I wish I could. の感動体験、私にもあります。図鑑で知っ
ていた生物をはじめて実際に見たような、というあの表現はすごくわかりやすかったです。私は日本に来ていたイギリス人の口から I wish I could. と聞いて、おお、これは毎度おなじみの仮定法過去ではないか、とひそかに感動したのですが当のイギリス人には「あんた何でにたにた笑ってるの?」と不審がられてしまったみたいです。学校では一度も会話の授業では使ったことのないものが実際にぽろぽろ使われているのは一種の驚きでした。

私見ですが、日本での英語教育の過程では、英語ではストレートに、ということを非常に強調しますよね。そのために、効果的な仮定法というものが使えないのかもしれませんね。仮定法と言えば「反実仮想」(わけわからん用語……)だけしか習わない場合もけっこう多いのです。英語に力を入れている高校などでは「丁寧な依頼」などの would / could も仮定法だということはいちおう言葉では教えているんですが、本質まではなかなか触れていないみたいです。
私も仮定法の本質らしきものが分かったかなと思えたのは学生を卒業してからなんですが。

確かに、旅行するだけとか、大人の人で「つまらないものですがおひとつ」とかそういう言い回しが反射的に出てきてしまう人には「英語はストレート」説が有効なんでしょうけど、友達を作りたい、とか人間関係をちゃんとしたい人には「英語はストレート」って教え込んでしまうのはちょっと危険かもしれないと私は思っています。

以前の号で、目上の人に対する言葉づかいについて触れていらっしゃった時も共感したのですが、その時はばたばたしていて感想をお送りできませんでした。ちょっと長くなってしまいました。ごめんなさい。さらださんの目線で見たことや考えたこと、また楽しみに待っています。(投書終わり)

一一一実は仮定法の他にも「学校では教えてくれなかったじゃん!」という英語についてのエピソードがいくつかあります。それはまた後日!!(さ)

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◆さらだへ何でも質問コーナー◆ 皆さんからの質問にお答えします。
   
◇いつも少し不思議に思っているのですが MMにいつも登場されるだんなさんは野菜さらださんの本当の旦那さんなのでしょうか?

一一一はい、正真正銘、戸籍の上でも私のダンナ(ただし8歳年下、奴はまだ20代!!)です。でも大抵同い年か、私の方が若く見られるので~す!
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◆編集後記◆
 すでに週2回も発行している上に「日曜日まで!」とお叱りを受けるのでは、と思いながら発行を決めた「特別版」でしたが、発行直後から「嬉しい」「楽しみ」といった感想をすぐにいただき、投書もたくさんいただきました。全てをご紹介できず、本当に申し訳ありません。これからも、いろいろ方の体験、感想、意見などを皆で共有し、おもしろ情報満載で一杯の日曜版になりますよう、よろしくお願い致します。素朴な疑問、意見、感想、なんでも可です!

 ※日曜版は第2・第4日曜日発行の予定です(以上、蔵出し終わり)

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023

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