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蔵出し:「アメリカの結婚式(後編)―結婚式当日―」from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(第25回)

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

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  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
        (1999/8/24発行) 第25号 (火・金曜発行+日曜版)
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 前回、結婚式当日までのことをお伝えしました。今日はいよいよ式当日です。

◆本日のテーマ「アメリカの結婚式(後編)」 一結婚式当日一

3)結婚式  一誓いのことばに会場ももらい泣き、、、一

 さて、肝心の式当日ですが、ウエディングシャワーの時の教訓を元に、服装については事前に友だちにしつこく聞きまくって、今度は粗相のないように十分配慮しました。ドレスアップとのことで、最近滅多に着ないワンピースにヒールのある靴で出かけました。

 結婚式は、大抵は教会で行われるそうでが、今回は「夏」ということもあり野外で行われました。小川が横に流れている緑に囲まれた広場に簡単な祭壇、それを囲むように招待客用のベンチが設けられていました。その日は大変天気の良い日で、野外で行うにはまさにうってつけの自然の演出でした。祭壇の柱やいくつかの場所にはブライダルカラー(今回は紫でした)と白色の風船が括り付けられ結婚式の雰囲気を醸し出していました。

 生バンドの演奏に合わせて、最初に牧師さんが登場し、その後花嫁と花婿の友人代表がそれぞれペアになって腕を組んで入場、牧師さんの両横に並んで立ちました。花嫁の友人はブライダルカラーのお揃いのドレスを着ての登場です。そして、花嫁、花婿が入場し、例の夫婦の誓いことば、指輪の交換の後、2本の紫色をしたろうそく(ブライダルカラーのろうそく、花嫁と花婿の象徴)と1本の白色のろうそく(結婚の象徴)に火を灯し、もちろんちゃんと皆の前で何度も熱烈なキスして、式自体は30分程度で終了です。

 誓いのことばを言うとき、花嫁さんは感無量という感じで、花婿の顔をまっすぐに見つめ、牧師さんのことばをゆっくり繰り返しました。

 「これから、あなたの妻として(as your wife)生きてゆきます」

特にこの「as your wife」の所を一つづつ噛みしめるように言っていました。

4)レセプション  一花嫁さんも一緒に踊って楽しんでます♪一

 さて次はレセプションです。私がこれまでに参加した式では、食べ物は大皿に盛られ、各自思い思いに取り皿に取って食べる形式でした。その間、生バンドの演奏に合わせて踊る人あり、初対面の招待客同士も自分からお互いに自己紹介して、あちこちで話込んでいる人の姿を見かけます。花嫁もざっくばらんにいろいろな人と話したり、ハグしたり(ハグとは挨拶として抱き合うこと、こういう日は、みんなハグ連発です)、踊ったり、すごく気楽な感じで自分も思いっきり「嬉しい」ということを体全体で表現していて、見ているこちらも本当に嬉しくなってきます。今回の花嫁さんは特にさばけている人で、芝生の上で犬と寝っころがって遊んだり、ワインをぐいぐい飲んだりもしていました。
 日本式に考えると、ちょっとお行儀が悪いかしら、という位ですが、逆に飾らず、素直に自分の気持ちを表現しているところがとても好感が持てました。

5)ウエディング=ケーキ  一最上段は冷凍庫へ?一
 
 もちろん、ウエディング=ケーキもあります。3~4段になっていて、レセプションが一段落した頃、「ケーキカット!!」と声がかかり、皆がざわざわとケーキの前に集まります。そして、花嫁、花婿さんでカット。その後、まず一番上の段のケーキを取り、それは冷凍庫に入れて翌年の結婚記念日、つまり結婚1周年記念の日に食べるのが習わしなんだそうです。後は、今カットしたばかりのケーキを小さく切り分け小皿にのせ、また各自勝手に取って食べます。
 大きな催し物はこれで終わり、その後はまたしゃべったり踊ったり、式自体の終わりははっきりせず、何となくバラバラと人が立ち去る、そんな感じでした。
 一応ハネムーンには行くそうですが、行く先はオレゴン州内で、海外なんてとんでもない、周りにいた人に聞いた限りではそんな感じでした。

 お色直しもなし、両親への花束贈呈もなし、引出物もなし、何にもない感じですが、花嫁、花婿はもちろん、誰もがみんな気がねせず楽しんでいる、その雰囲気がとても爽やかで、私も一日、幸せな気持ちで一杯でした。 
                              (つづく)

◆おまけ情報:結婚式の話はアメリカ人も大好きで、日本式の結婚式の写真などをよく見せてあげます。最低1回、ともすると数回ドレス・着物を着替えるというと、すごくびっくりします。加えて、日本では結婚式にかかる平均費用が約200万~500万円というと、大抵のアメリカ人はさらに驚きます。そして、その次には「たった一日のことに何でそんなにお金をかけるのか?」と必ず質問してきます。  さて、何と答えればよいでしょうか?

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023


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