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蔵出し:野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』 第3回「教室の風景」

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

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  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
          (1999/6/8発行) 第3号   (火・金曜発行)
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 早速いろいろメールをいただいております。ありがとうございます。なお、すぐにお返事ができない場合もありますのでご容赦ください(今、実は学期末テスト週間中なのです、、)。

 ◆本日のテーマ「教室の風景」
 
 一応私もこちらで「学生」をやっておりますので、今日は学生生活についてお知らせしたいと思います。こちらの学生は本当によく質問します。先生が「何か意見やコメントは?」と質問すればもちろん多くの学生がすぐに意見を言います。そうでなくとも、何か疑問があればすぐ手を挙げて質問しています。また、学生同士でグループ=ディスカッションやグループ=プロジェクトをさせられることも多く(これは学部によるかもしれませんが)、自分の意見をはっきり言わないと、どんどんグループから取り残されてしまいます。

 教室内の様子で日本の大学と違うのは、みんなよく物を飲み食いしている、ということです。コーヒー持参、ベーガルをかじりながら授業に参加するのは珍しくありません。あと、足を前の椅子の背の上に投げ出したり(その足の靴底が自分の顔の横にあったりすることがある)、私からみると少々お行儀が悪いような行動も実はこちらでは問題ではないようです。

 こちらで教室内の問題行動とされるのは、実は「居眠り」なのです。そういえば授業中に居眠りをしている学生というのはまず余り見かけません。私は、日本の感覚で、静かに寝ているのは迷惑ではないだろう、と授業中に居眠りをしていたら(さすがに机にうつ伏せにはなりませんが、目がトロンとしてしまう程度)、友だちに「起きなさい」と何度も注意されました。よ~くよく聞いたところ、授業中の態度として「居眠り」は一番先生に与える心証が良くないんだそうです(実際、これを知ったとき、冷や汗たらりでした)。で言い訳がましく「日本では、授業中に物を食べる方が失礼で、居眠りの方が許されているんだ!」と弁解しましたが、後の祭。

 これから留学する人は、授業中「物は食っても」「居眠り」はしないようご注意ください。                     (つづく)

◆後日談:このエッセイを書いた後、大学院生向けの授業の中で、将来大学の教官になったとき、どうやってうまく授業を行うか、というテーマのセミナーがあり、そのとき「授業中の学生の問題行動の対処の仕方」というプリントが配られ、そのトップにあったのがこの「居眠り」でした、、、(再び真っ青)。ちなみに次の項目は「自分ばかり目立とうと質問する学生」でした。

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023

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