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蔵出し:野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』 第6回 「日本人留学生はどこに?!」(どこに?シリーズ第2弾)

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

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  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
          (1999/6/18発行) 第6号  (火・金曜発行)
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 ◆本日のテーマ「日本人留学生はどこに?!」(どこに?シリーズ第2弾)

 アメリカ留学を志す人のほとんど誰もが「日本人の少ない学校に行きたい」そう思うようです。種々ある留学ガイドブックにはこの類のテーマが必ず載っています。裏を返せば、それだけアメリカの大学には日本人がたくさんいる、ということです。

 現に私の在籍する大学では日本からの留学生は国別に見たとき、留学生の中でも他国を抜いてトップです(数百人)。加えて他のアジアからの留学生もいますので、大学内ではアジア人など全然珍しがられることはありません。それでも、一般の学部や大学院へ入学すれば、まだまだ留学生の数はクラスでは少数派です(学部による比率の違いはあるにせよ)。

 これが、英語学校に入った場合は日本人の比率はもっと高くなります。私が3年前に在籍していた頃、15人程度のクラスに日本人が5~6人、韓国人が4人程いて、クラスの大多数を占めていました。それでもフランス人、ロシア人とまだヨーロッパからの留学生もいました。それから2年経った辺りで聞いたところによると、特に夏学期中はクラスのほとんどが日本人と韓国人、大学の寮などは日本人だらけ、そういう話でした。

 構内であれば日本人はすぐに見つけられますし、日本語が聞こえてくることも稀ではない、これがたぶん今のアメリカの大学のごく普通の風景なのではないかと思います。

 ところが、です。怖いもの知らずの私のダンナと好奇心の固まりの私はよく夜のバーとかライブハウスに繰り出すのですが、そういうところでは滅多に日本人らしき人に会うことはありません。そういう場所のいわゆる人種の比率は、大学のそれとは全然違うのです(オレゴンはかなり白人の比率が高い州で、夜のスポットは白人ばっかりです)。また、実際こちらに長く住んでいるという日本人の人もなかなか日本人と知り合う機会がない、そう言っていました。

 一体、あんなにたくさんいた日本人留学生はどこに??と思って話を聞くと、みんな朝から晩まで、日曜から土曜日まで図書館に缶詰になって勉強しているらしいのです(真面目な学生の場合)。仲良くなった日本人学生の誰もが私たちのよく行っているバーなどには行ったことすら、行こうとしたことすらなかったと言っていました(といってうかつに一人で出かけないでくださいね)。

 しかし、私は1週間に一度はどこかでパーっと発散しないと、次の1週間、逆に勉強に集中できず精神的に参ってしまいます。などというのは単に私が不真面目な遊び好き?ということの言い訳でしょうか??(でも人間、遊ばなくっちゃ、ね!)                (つづく)

◆おまけ情報:実は大学の留学生関係の委員会に関わっており、手元に1998
年秋の留学生出身国別の人数が載った資料があります。日本人学生は約370人、次いでインドネシア(約180人)、台湾(約160人)、韓国(140人)となっています(これは英語学校の学生は含みません)。これが、学部生と大学院生の比率になると、ガラリと様相が変わります。日本人は学部:院生=85:15、韓国59:41、台湾68:32、中国16:84(以上全て%)と日本人は圧倒的に学部生が多いことが見て取れます。  

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023 #エッセイ部門


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