箇条書きの記号は大きい順に使う~伝えたいなら「視線誘導」する~

【1.問題の所在 ~箇条書き百鬼夜行~】

職業柄、非常に多くの人の資料を見る機会がある。資料を構成する様々な要素の中で、個人による分散が最も大きいのが「色遣い」と「箇条書きの記号」だと感じる。これは、①体系的に学ぶ機会が少ない、②資料の内容に比べ些末であり指摘される機会が少ない(あまりにもひどい場合を除く)、の2つが理由と考えられる。

完成した資料を眺めるだけなら「人には人の箇条書き」と割り切って傍観すればいいのだが、資料パッケージを分担して作成する場合、箇条書きの記号がそろってないと結構気持ち悪い。
また、作業分担した際の効率UPのみならず、資料作成の際に考えることが1つ減るという意味でも、使用する記号の順番を決めておくことは有用であると思われる。

【2.原則 ~視線誘導せよ~】

そもそも「箇条書き」をする目的は、限られた時間の中で情報を素早く魅力的に伝えることである。したがって、構造化されている(=全体像がぱっとわかり各項目のレベル感が整っている)ことは箇条書きの必要条件であり、箇条書きにおいては基本的に読み手に対して抽象→具体という読み方をしてもらう。このように「読んでほしい順序」がある場合は、工夫して視線誘導し読み手の負荷を減らすとみんなハッピーになる。

箇条書きにおいて使いたい視線誘導の方法は、「大きいものから小さいものへ」である。(ほかにもゲシュタルトの法則とかいろいろ方法があるので興味があればぐぐってほしい)
より詳しく言えば、「黒い部分の面積が大きい記号から使う」ということであり、以下の画像を見てもらうのがたぶん早いが、たとえば、●や◆といった記号から始め、そのあとに✓や-を使うとだいぶ綺麗に見える。逆に、黒い部分の面積が小さいものから使ってしまうと、その箇条書きを見たときに最初に1番上のレイヤーに目がいきにくい。

<例①:大きい→小さいで使う>

画像1

<例②:小さい→大きいで使う>

画像2

【3.結論 ~●‣✓-という提案~】

「黒い部分の面積が大きい記号から使う」という原則に従い、以下の①~④の順序を1つのルールとして提案したい。4階層分くらい決めておけば、困る場面はほとんどないと思う。PowerPointのデフォルトの箇条書きの設定では、以下のようになっているケースが多いと思うので、基本的にはその中から選ぶ。

画像3

① ●:
1階層目は、●を推したい。別に◆でもいいと思う。■だと、ちょっと黒い面積が多すぎて圧迫感がある気がする。

②‣:
2階層目は、右向きの矢印みたいなやつを推したい。□だと、カタカナのロとか、漢字の口とかと間違えそうであまり使いたくない。

③:✓
3階層目はチェックマークを推したい。デフォルト設定の記号だと、3階層目に使えるのはこれしかない。

④ - :
4階層目には - を推したい。デフォルトの設定にはないが、デフォルトの「・」を使ってしまうと、文中に「・(中黒)」を使ったときに結構見にくくなる。
なので、多少めんどくさくても、箇条書きのタブから「箇条書きと段落番号」→「ユーザ設定」と進み、「文字コード」に「2010」と打ってハイフンを選択するといいと思う。

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皆さまの快適な箇条書きライフを心からお祈りする。

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