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ひきこもごも

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記事一覧

【ひきこもごも】1

あの頃の記憶は酷く不確かだ。
風景や光景はそれなりに思い出せるが時間の感覚は全くチグハグである。
時間というものが相対的なものであるという事を知った時にはなるほどと納得いった。
当時の俺には時間を知る相対的なものが少なかったのだ。
1日は昼と夜明けの繰り返しで、一週間はラジオの番組表で、一ヶ月ともなるとそれを知る為のものは無かった。
今でも鮮明に思い出せるのは常に暗く埃っぽい部屋とそこに斜光窓の隙

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【ひきこもごも】 4歳〜小6

俺の一番古い記憶は家でもんじゃ焼きを食べる記憶だ。
今も昔も大好きで、両親はかなり頻繁に作ってくれたのを覚えている。

その日は4歳頃のいつかの夜で、前日だか朝だかに急にもんじゃ焼きをやる事になった。
決まってもんじゃ焼きは休みの日だったけど、その日は珍しく平日だった。
「今日はウチでもんじゃ焼きやるから皆んな食べに来なよ」なんて友達や保母さんを誘ったのを覚えている。
俺は小さい頃、何か楽しい事が

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【ひきこもごも】小3〜小4

約20年位前、俺は小学3年生にして不登校児だった。
それもヒキコモリではなくて朝に家を出て学校には行かずに少し家から遠くの神社やコンビニで一人ボーッとしたりというエキセントリックな不登校児だった。
よく覚えているのはセブンイレブンで何度もナルトの十巻をずっと繰り返し立ち読みしていた事と、腹が減りすぎてその店でチョコスティックパンを万引きした事。
今にして思えば一度も警察に捕まったり店員や大人に声を

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【ひきこもごも】中1〜ヒキコモリ突入

中学生に上がってまず野球部に入った。
経験は無かったが、小学生の頃によく友達とキャッチボールをして遊んでいたのでその延長の感覚で入部した。
140cmの6〜70キロ位のデブだったので辛く苦しかったがそれなりに楽しめてたような気もする。
しかしレギュラーだとか試合に出たいとかの思いはなく、あくまでやりたいのはキャッチボールとバッティング。
練習も新入生の様子見メニューから次第に厳しくなっていったので

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