その人にとっての唯一のこと

いやー久々にNoteなんぞを書いてみようと思いました。

私は沖縄の離島でお店を経営している人をとっても少ない力ではありますが応援しており、その人から定期的にメールが届くんです。
今回はその内容を読んで、そうだそうだということを改めて考えたのでそのことを少し書いてみます。

まず多少の修飾はあってもその原本らしきもの

今日の経営会議で、ある理由である店舗を数日間閉店するかもしれないという話になり僕が声を荒げて叱るというシーンがありました。僕は「グループの都合で閉店する」ということに対して非常に敏感です。しかしそれには理由があるのです。数年前、ある人に「普通の家庭というのは一年間一生懸命貯金をして宮古島への旅行を楽しみにしているものなんですよ」と言われてまるで頭をハンバーで殴られたような衝撃を受けました。
考えてみたら当たり前ですよね。沖縄本島、石垣島、そして宮古島、普通の人には特別な旅行です。それこそ貯金をしていく場所です。
普通の方々はそうやって楽しみに宮古島に来てくださるわけです。そしてその中には「宮古島に行ったら○○にいくぞ!」とか「一年で一番高い食事が○○グリルなんです!」とグループでの食事を楽しみに来島してくださるお客様がたくさんいるのです。本当にたくさんいらっしゃいます。僕はそういう方々から毎日のようにツィーターやインスタグラムを通じてメールをいただきます。
だからこそ閉店したくないのです! 「売り上げが減るから閉店したくない」のではないのです。グループでの食事を一年の楽しみにして来島してくださるお客様を裏切りたくないのです。だからこそ閉店してはいけないのです。宮古島という場所はそういう特別な場所なのです。正社員のみんなにはこの僕の想いだけは心に深く植え付けてほしいなと思います。

というものです。
この話は色々なところで手を替え品を変えてよく言われていることであり、自分もその立場になることもよくあります。

大好きなDREAMS COME TRUEの吉田美和もコンサートが始まる前の楽屋で必ずスタッフ全員とこう言っているみたいです。
「我々はツアーの中の一つのコンサートかもしれないけど、お客様の中にはもしかしたら一生に一度しか来ることができないお客さんがいるかもしれない。その一生に一度のために一生懸命頑張っていこう」ってか感じのことです。
これはまさにその通りで、自分達にとっては何気ない風景に感じていることでも、それを受ける人にとっては非常に特別なものであることは世の中にはたくさんあるんです。

以前交通事故で入院していたときに、この逆のことを感じたことがあります。朝に先生が病室を回ってくることが週に何回かある時の風景です。
先生から見たら非常に沢山の、おいらなんかとは比較にならない程の重症の人もいる中で、しかも診療前の非常に短い時間の中での対応なので難しいのかもしれないけど、先生は「どうですか?」と聞くので「痛いんです」というと「それは交通事故にあったから当たり前です」と、しかも本の一言二言話すだけで「ではまた」といって去って行くんです。
まぁそんなもんだろうとは思うけど、でもそこでもう少し何かがあると医者と患者の信頼関係はもっと良くなるように思うんだよね。
まぁその病院では肩の痛みのようなものは取り扱ってもらえなかったので他の病院へ行ったけど。まぁ先生も大変だろうとは思うけどさ・・・

昨日、スキー関係の事務作業で4-500名に向かって書類を封筒に入れて郵送する作業をしていたんだよね。
書類は全部で4種類でそれを手作業で封入するんだよね。おいらからすれば4-500枚もの作業をしているから多少のミスはあっても良いのか・・・なんて考えてしまいがちになるんだけどさ。
でも、この封書を受け取る人は一人であり、自分宛に送られてきているものでそれが他にもの凄い数があるから間違ってしまうかもしれないんだよねといわれたって納得は行かないよね。
なので、できるだけ丁寧に、確実に、間違いの無いように慎重に、でも数が多いからスピードは上げてということを心がけて作業をしていました。
まぁそれでもミスはあるかもしれないけどさ。

冬のスキーイントラの場面でも同じことがあるんだよね。
人生で初めてスキーをする人に対して初めて先生として目の前に立つことがあります。
自分にとっては長いスキー生活、イントラとしては沢山居る中の一人の生徒さんなんだけど、その初めてスキーをする人にとっては唯一無二の初めての経験なんだよね。絶対に二度と訪れることがない機会。
疲れていたり、とっても忙しかったりもすることはあるけど、やはり相手にとっては唯一無二の機会であり、しかも決して安くないお金を払って、何かを期待しているんだよね。
そういう人に対してできるだけ一生懸命に考えて行動するんだけど、でもそれでもうまくできないことがあり、それに後で指摘され、自分で気づき、あぁぁぁぁって思ってしまうことがあるんだよね。

非常にシンプルなことで、自分はどちらの立場にもなることができることであり、目の前にそのことがあれば非常に解りやすいことなんだけど、これがなかなか難しいんだよね。
失敗もするし、覆水盆に返らずで失敗してしまったこと自体を取り戻すことはできないし、その後悔の思いは何年経っても自分の胸に突き刺さったままになるんだよね。
でも、そのことを気にしていてもダメだし、気にしなくてもダメだし。

なかなか難しい、でもとても簡単なことなんだろうね。

なんてことを感じてしまいました。

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