♯1 「教養として学んでおきたい仏教」

5月も後半になり、「暑い」と感じる日が徐々に増えてきました。

タイトルにある「教養として学んでおきたい仏教」(マイナビ新書)を読んだので、感想を。宗教について意見を書くことはセンシティブなところもあると思うので、お手柔らかにお願いします。。。


そもそもこの本を読んだのは、1年半前に祖父が亡くなって、身内で人が亡くなるのは初めての経験だったのですが、お葬式や49日で「なぜこんなにお金がかかるの?」と疑問に思ったことがきっかけです。特に初めて葬式に臨む人たちは方法や相場など情報がないのに、どんどん即決を求められる。情報の非対称性。

学生時代にふわっと学んだ仏教について、ある程度概要を知った上で、意見を持つことが、この本を読む目的です。

以下、メモしたポイントです。ちゃんと理解できておらず、僕なりの解釈があるかもしれませんので、そこはご了承•ご指導ください。

 • 日本に一般的に広まっている仏教は大乗仏教であり、それは釈迦の教えをサンスクリット語から中国語に翻訳したときに、中国人の解釈を経由したものである。原始仏典であり、釈迦の教えが書かれていると思われているスッパニパータは明治時代に日本に伝わった。

 • 日本と中国は、現世で良い行いをし、浄土へ行くことを望んでいるが、仏教が生まれたインドでは、輪廻からの解脱を望んでいる。

 • 禅宗の曹洞宗により、現在の仏教式の葬式の原型が作られた。曹洞宗では、雲水が修行する道場を運営する経済基盤を確立するための手段として葬式が生み出され、それが各宗派に広がった。

 • ここ数年、仏教離れが進んでいる。例えば、宗教の役割として人間関係のネットワーク構築もSNSに代行されている。

上記以外にも、改めて学んだ事も多く、非常に読みやすい内容でした。

本を読んでの感想は以下の通り。

 • 葬式はお金を稼ぐための手段であったという記載があったが、事業を継続していくには当然お金を稼がなくてはならないので、そういう意味では企業と一緒でしかるべき方法だと思った。

 • お墓参りって、儀式的なものではなく、「故人を中心に親戚が集まって思い出を語り合う機会」というように捉えれば、必ずしもお墓という仕組みがなくても良いのかな…。お坊さんにお経を唱えてもらっても、ありがたい感じはするけど、イマイチ何言っているかわからない…。例えば、1年に1回、親戚で旅行に行って、個人について語り合う、みたいなイベントでも良い。

 • 仏教には、宗教的な側面だけでなく、お寺の伝統や建築、自然との一体感など文化的な側面もあって、そっちは好き。旅行に行ったらお寺や神社は観光スポットになるし、インバウンド客も日本のお寺や神社を訪ねることは多いと思う。稼げないお寺が増えて、文化的な魅力あふれるお寺が減るのはもったいない。

 • 以前読んだ「サピエンス全史」で、「人間が一定数以上を組織するためには、宗教という虚構が必要だった」という記載があったと思うが、はるか昔に人々が一定の組織を作るためには必要だった。今ではその役割が国家や企業に代用されつつあるが、宗教は必要だった。


もちろん、この本に書かれていることが全てではないと思うので、意見を述べるほど理解が進んだわけでもないが、入門書としては非常に有用であった。

先日読んだ「また、桜の国で」という小説を読んで、なぜユダヤ教が迫害されていたのかについても興味を持ったので、次はユダヤの歴史に関する本を読んでみたいと思う。

20200522/

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