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【「やぱ好き」創刊までの母子手帳7ーー表紙に選ばれるのはどれ!?】

「やっぱり英語が好き!」というメディア名が決まったのは1月のことでした。名前が決まれば、そこからやらなければならないのはこの2つです。
・ロゴデザイン
・表紙デザイン

ロゴデザインはメディアにとっては心臓のようなもので、変更が可能な表紙などとは違って、基本的に半永久的に使用するものです。まず、自分自身がある程度のイメージを持ち、それを具現化してくれるデザイナーを探さなくていけません。

イメージ作るのも大変!
デザイナー探すのも大変!
宝探しの冒険に出るようなものです。

ロゴデザイン探しの旅

イメージは、メディアのコンセプトに立ち返りながら、言葉を細かく具体化するしかありません。「身体ハンディキャップに関係なく、家庭環境に関係なく、英語が楽しめるメディアであり、『点数が取れる方法』ではなく『踏み出す楽しみ』を、『英語』ではなく『その先にある世界』を伝えること」を柱にし、「夜明け」「太陽の輝き」「春らしさ」、何かが中心から弾け出すようなイメージを反映したいなと。

ロゴについては苦労しました。デザイナーさんは世の中にたくさんいらっしゃいますが、一見「かっこいい」だけのデザインが意外と多く、コンセプトまで伝わるアイコンを作れる方は少ないです。化粧品などの箱に使うものは、おしゃれであればいいかもしれませんが、雑誌やメディアに使用するのはかなり厳しいです。まず、細い。世の中には細いロゴが蔓延っているんです。

世の中の作字デザイナーを探し回って、探し回って探し回って探し回って出会ったのがReeyaさんでした。まだ大学をしたばかりの若いデザイナーさんです。
作字そのものの美しさに感動しましたが、経歴も興味深い。デザイン学校やデザイン事務所は経ておらず、大学で文学を学び、商社に勤めながら自らの技術と興味を磨いていったとのことで、デザインする際に、その背景の物語を大切にされています。

Reeyaさんがつくってくださったロゴがこちら。

A、B、Cのアルファベットが隠れている

手作り文字の温かみを放ちながら、実は文字の中に「ABC」が埋め込まれているのがわかりますか。こちらのイメージ通り、だけれどもこちらの予想をしっかり超えてくれる方でした。ありがとうございました。

ロゴができあがれば、今度は表紙です。表紙にはイラストにしよう、その場合は絶対にこの人に頼もうということは昨年の段階で決まっていたのです。



表紙は絶対「マムアンちゃん」

コロナが社会を襲った2020年から、ホームレスの方の生活支援のために、「ビッグイシュー」という雑誌を毎号買っていたんです。

この雑誌の連載に、あるイラストが描かれていて、それが心を掴んで離れないんです。結局、ソーシャルメディアでずっと見ていました。

このイラストで描かれているのは、マムアンちゃんという少女で、描いているのはタイのイラストレーターであるウィスット・ポンニミットさん(タムさん)という方です。日本の漫画、手塚治虫などに影響を受けているのが伺えました。

人間の悩みや動物(弱き立場)を対等に描き、慈しんでいるを見て、もはや大ファンになっていたのです。「やっぱり英語が好き!」が発足したら、そのイラストはこの人しかいないなと。ダメもとで、このメディアのコンセプトや描いていただきたいラフとReeyaさんが描いてくれたロゴを一緒にお送りました。

正直ダメだと思いました。流石に、世界中のメディアや企業から依頼が来ている方なので、そもそも忙しくてメールも届かないと思っていたんです。案の定、送った後しばらく返信はありませんでした。念のため、再度気持ちをお伝えして、「1年でも待ちます」と。このメディアにはマムアンちゃんがあってこそだと思っていたので、他の表紙はありえなかったのです。

そしたら、なんと。
実は依頼承諾のメールがこちらに届いていなかっただけで、まさかのOKでした。

奇跡はあるもんだと。このメディアの制作にあたっては、実は奇跡の連続で、しかも「この順番で奇跡が起きなければ次(の奇跡)に繋がらない」ということが何度も起きてここまで進行してこれました。

そして。このほど、イラストができあがったのです。
表現したかったのは、マムアンちゃんが英語を楽しそうにリスニングしている姿。ただ、杖を持っている。それは、視覚にハンディキャップがあることを示していますが、「このマムアムちゃんは目が見えません」と説明するのは今だけです。テレビドラマやCMや雑誌の表紙に、マイノリティの方が自然に登場するのは、まさに自然だと思うからです。しかもそれについて何の補足説明されずに映し出される社会が早く来てほしい、そんな気持ちでした。



みんなはどの表紙が好き?

さて。
そこから表紙を最終的に決めるまでにさまざまな案を検討します。

A
B
C1
C2
D1
D2
D3
横A
横B
横C1
横C2

紙に印刷され、製本されることを前提とすれば、通常は縦位置の表紙になります。ただ、この「やぱ好き」はウェブ媒体に振り切ることをまずは前提にしているので、エディトリアルデザイナーさんに「思い切って横位置も検討できるねー」と言われてハっとしました。スクエア(正方形)に近い雑誌の表紙は時々ありますが、完全な横位置A3はなかなかありませんね。

せっかく新しいものを作っているのでこういった発想も大切にしたいです。
ちなみに皆さんはこの中だとどちらがいいでしょう。

表紙の最終形態は、完成したマガジンでご覧ください(6月25日頃にこのnote上にアップいたします)!


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MASANO-RINGO
「やっぱり英語が好き!」編集主幹←英語雑誌編集長←新聞記者←『日本の論点』編集/SILS(2期生)/新宿高校/Getty Images contributor/国際交流グループPhotowalk Tokyo創設/簿記2級/ニュース検定1級/1985年生まれ
Twitter: @WMasanoringo
note: https://note.com/yapasuki
YouTube: https://www.youtube.com/@yapasuki

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