息子くんと歯のケア
口蓋裂
口蓋裂(口腔内の天井部分に穴が開いている)で生まれた息子は、何度も肺炎を繰り返しました。だから本来2度に分けて手術をするのですが、呼吸器の状態が悪いために、1歳になると同時に、1回で手術をすることになりました。
手術のおかげで、肺炎になることはなくなり、ホッとしましたが、そこから長い治療がスタートしました。
永久歯が生えてこない
1歳になっても乳歯がなかなか生えてきませんでした。やっと生えてきたと思ったら、手術で閉じた口蓋(口腔内の天井部分)から歯が生えてきました。歯並びも、むちゃくちゃです。MIRで見ると、どうやら4本分の永久歯が生えてこない欠損歯だと断定されました。
だから乳歯を大切にしなければと、得意の関節技で歯磨きをしていました。とにかく虫歯にならないように頑張りました。
歯科診療
息子は歯科用チェアに横になることを極度に嫌がりました。矯正歯科のドクターや歯科衛生さんは、気長に優しく対応していただき、それこそ何年もかけて慣れさせていきました。
抜歯などの処置がある時は、入院して全身麻酔をかけて処置しました。ようやく10年かけて怖がらずに治療を受けるようになりました。
とにかく歯並びの悪い歯も、矯正して使えるものは使っていくという方針で、成長に合わせて治療していきました。おかげで見た目の歯並びは、かなり美しくなりました。
大人になること
息子が大きくなったので、押さえつけて歯磨きはできなくなりました。歯磨きや歯ブラシを工夫したり、いろいろ頑張りましたが、大人になるにつけ、いい加減な歯磨きをしだしました。注意をしてもヘラヘラと笑うばかりです。
毎回、歯ブラシに歯磨きをつけて準備していますが、息子は歯ブラシを、くわえたまま本を読んだりしてサボります。私は注意はしますが、息子は聞き入れません。押さえつけて歯磨きをしていたころに比べて、管理が甘くなっていきました。
障害者も大人になりますが、子どもの頃のように健康管理をしていくのは、大変です。怒ることにも疲れるので、心のどこかで諦めていたのでした。
かかりつけの歯医者さん
近所の歯医者さんに相談し、歯石除去など定期的に通うようにしました。先生は知的障害者を受け入れるということで「できる限り頑張ります!」と肩に力が入りまくりでした。
ところが通院を続けるうちに、先生と息子の間に謎の友情?が芽生えたようでした。「もっと息子くんと仲良しになりたい」と先生は言うし、息子も歯医者に通うことがウキウキでした。大好きな先生に注意されても、やっぱり家では真面目に歯を磨きません。
また頑張らねば〜
久しぶりの矯正歯科の受診で、虫歯と歯肉の腫れがひどい状態になっていました。ついにこれではダメだと先生から注意を受けました。自分で磨くことをしないのなら電動歯ブラシを持たせてみてはどうかとアドバイスを受けました。それと虫歯があるので、近医の歯科受診をするように言われました。
ということで私は息子に適した電動歯ブラシを探すことになりました。近所の歯医者の虫歯治療の予約をいれました。
このことをガイドヘルパーさんにボヤいたら
「そりゃお母さん、諦めたらあきませんよ」と言われました。
そうです。そもそも親の躾がなっとらんということですから・・・
お母さんは頑張らにゃいかんのです。でないとここまで治療してくれた矯正歯科スタッフに申し訳が立たないです。
こうして終わらない子育ては続くのです。
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