「老いては子に従え」るわけがない。
母は田舎の法事に行くときは「始発で行きます。一人で行きます。早く帰りたいので日帰りで行きます。」と毎回、こんな調子です。80過ぎの方向音痴のお婆さんが大阪から一人で往復するというのです。娘としては心配です。
そりゃ田舎の親戚も「せめてゆっくり1泊のつもりで行けば・・・」と声をかけざるをえないでしょう。
すると母は「落ち着かないので日帰りにします。早く帰りたいので法事が終わればすぐに帰ります。」となるのです。
田舎の親戚からしたら、高齢者が一人でやって来て、「早く帰る」と言いますが、最寄駅までの交通機関はありません。さらに在来線で新幹線の駅まで1時間はかかります。「泊まっていきなささいな、送り迎えしますよ。」社交辞令でこういうよね。こんな感じで親戚の心情を解説すると母は怒りだします。
「私は馬鹿正直で額面通りに言葉を受け取るの。言葉の裏など思いもしない💢 それに私は一人で自分のペースで行きたいの💢」
「受け入れる人たちのことも考えてあげてよ。相手の立場になって考えないと、相手の気持ちなんて思いやれないよ。」
すると母はさらに拗らせます。
「もうあんたには何も言わない。誰にも黙って行くから迷惑じゃないでしょ💢」
・・・
毎回同じやりとりの無限ループなので、今回は先手必勝で言いました。
「いきたい時は一緒に付き添うからね。そうしたら親戚の人も私も安心だから。」
「あんたが一緒に行くなら行くで気を使うからイヤ!」
そうこうしていると親戚から遠くから来てもらうのが心苦しいから、法事の日は母には内緒にして欲しいと、これまた親戚を通して耳に入りました。
ああぁハブられた。
自分の田舎なのにね。昔馴染みの親族の法事に行けないは、ちょっと可哀想に思いました。
数年前、法事の旅に父が車で2人で行くと言うのを、苦労して諦めさせました。長距離運転は諦めたけど、近距離の運転は毎日しています。これはこれで怖いんですが。
やれやれと思っていたら今度は高齢者が単独、始発、日帰りで法事と言い出しまして、まったくモグラ叩きみたいです。
「もういい、これ以上何も言わないで。」と先ほど母に電話を切られた私です。
・・・
娘にメッセージでボヤきました。
「老いては子に従え。
いつか私もこんなふうに気難しくなるのが老いです。
申し訳ないけど受け入れてね。
それとまたしれっとおばあちゃんに声を聴かせてあげて。」
「おけまる」
娘に母のフォローをお願いしました。
そろそろ老いてきた娘(私)は、しばらく休憩します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?