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「家族」という謎の集団

 夫が急死し、借金が発覚した時、既に死んでいる夫に「死んでしまえ!」と叫んでいました。

 どうして真面目に働いて、苦手な家事や育児をしてきた私が、こんな境遇に陥ったのかが、当時の私には皆目検討もつきませんでした。

「家族」ってなんだろうな。

 それを解明したくて、社会学部に編入したけど、まだまだ解明出来たとは言えなくて、まだモヤモヤ感が残っていました。でも多少は私自身にも、そういう事態を招いたものがあったかもしれないという考えに辿り着きました。

 だから夫のことを恨みも憎みもしていないので、あとは忘れるだけと、生きています。むしろ私の人生を軌道修正できた出来事だったと思えるようになれたので、むしろ感謝しています。

 コロナウィルスの流行で、家族の病気や死に直面する人も多くなり、この1年で家族の訃報や介護相談を受けることが多くなりました。相談以前に愚痴を聞くことも多いです。

夫に対して「死ねばいいのに。」と呟く妻の目が本気だった。

夫に対して「早く死んで欲しい。」と言う妻の声に凄みを感じた。

 この2人は人格的にも社会的にも立派な方々からの、この言葉に衝撃を受けました。他人は分からない長い家族の歴史の中に、彼女らに強く深く心に秘めたものを、感じざるを得ませんでした。

「夫婦」ってなんだろうな。

 「あなたは恋愛ができて羨ましい。」既婚者の人によく言われます。私は「恋愛したらいいじゃない。夫が嫌なら離婚しなよ。」と返します。でもそれでは問題が解決しないようです。

 そして最大の謎は、「婚姻届を提出し戸籍によって括られた家族関係とはなんぞや?」なのです。社会の変化が家族というものを変質させたのかな、それはどういうことなのだろうか。

 この謎を探究したい、考えたい、そして何より自分自身で納得したい。だから家族社会学を学びたい私であります。

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