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美味しいものを分かち合う時間

話ができない知的障害の息子と2人暮らしです。毎日暑いので引きこもっていて地味に慎ましく暮らしております。

ある週末、3人のお客さんがやって来ました。

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洋酒ケーキ


猛暑の金曜日、元同僚のAからメッセージが届きました。「ちょっとくたびれたから立ち寄ってもいい?」人と話をするなど何日ぶりかしら。もちろん大歓迎です。

Aが「暑い暑い」とボヤきながらやって来ました。私は冷蔵庫の奥に隠していた秘蔵の洋酒ケーキを切り分けました。誰かと美味しさを分かち合いたいからでした。

Aは長い間お腹の奥底に溜まっていたことを吐き出しました。私はうんうんとうなずき話を聞きました。少し落ち着いたタイミングで、リクエストのコーヒーと一つのケーキを2人で分けて食べました。Aが美味しいと喜んでくれたので、今度見つけたら丸ごと渡すねと約束しました。

「しんどくなったらいつでもおいでよ。いっしょに美味しいお菓子をたべようね。」私はAを見送りました。

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揖保乃糸 金胡麻そうめん


土曜日になって学生時代の友だちBがやって来ました。いつもように駅まで迎えにいき、一緒にスーパーへ立ち寄りお菓子を買い込みます。来訪の目的は私がお友達から頂いた揖保乃糸 金胡麻という珍しい素麺をBと一緒に食べるのが目的でした。Bは素麺が大好きなので去年の夏も一緒に食べました。

大葉と麺つゆとBの好きなスイカも買いました。Bは数種類の新作のポテトチップスとお菓子を買い込みました。家に着くとお菓子を並べておしゃべりに花が咲きました。仕事のことや近況報告など話題はつきません。

お友だちから頂いたゼリー、祇園小石の飴、奈良あすかルビーの生キャラメルなど息子には内緒で隠していた秘蔵の頂き物のお菓子を一緒に食べました。

お菓子と話が止まらず、金胡麻を食べるお腹のキャパがなくなってきました。ということで金胡麻をそれぞれの家の晩御飯に回すことにしました。

結果的に友だちから頂いた金胡麻は私の両親や子どもたちBの旦那さん、合計7人で味わいました。美味しい幸せをありがとう。贈ってくれた友だちに感謝しました。

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無花果

日曜日に母がやってくるとメールが届きました。私は朝一番にスーパーに行き、母の好きな無花果を買い冷やして準備をしました。母はやってくるとリュックからチーズを2箱、巨大なベーコン2本、お裾分けの梨を2つ、おすすめの文庫本を取り出しました。どんだけ詰め込んでいるのか四次元ポケットのようなリュックサックです。

私は冷たい麦茶と無花果を出しました。母は美味しそうに食べては「美味しい美味しい」と喜んでいました。私は無花果は好きではないので分かち合うことはしませんが、毎年この時期に母と会う時は無花果を用意するのです。

毎年のように母は、「こんなに美味しい無花果はない。あんたも食べなさいよ。」と言います。そして私は「私は無花果は好きじゃないから遠慮なく食べて。」と答えます。

こうして母と同じ会話を繰り返しますが、元気で美味しく無花果を食べられる限り、この会話を繰り返したいと思います。

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みんなのおかげで楽しく美味しい時間を過ごしました。来てくれてありがとう。

誰かと話したくなったら、いつでもおいでね。

私はいつでもここで待っているよ。



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