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第4章はいらない

 ひょんなことから論文を審査に出すことになり、先週から再構成の作業をしております。修論の第4章に当たる部分が、まるまる気に食わないので、全部ぶった斬りボツにしました。瓢箪から駒のような内容は、学識が不足し過ぎて、たまらなく居心地の悪い章でした。これも気に食わない、ここは嫌い、こんなのバカみたい!と悪態をつきながら削除しているのは、教授から書かされた箇所ばかりでした。

 つい先日まで「もう学術から足を洗うぞー!」と叫んでいましたが、驚くことに嬉々として論文の作業に日夜打ち込んでいるのです。もう楽しくてたまらない。やっと自分の書きたかったことが、自由に書けることが、こんなにも気持ちが良いとは思いもしなかったです。

 はたと手を止めて、考える。この文書を共同執筆者である教授に見せたらどうなるだろう。またお叱りを受けて、何度も何度も何度も書き直すのか・・・

 いやそうじゃない。そんなことはもう2度とは繰り返さない。簡単なことです。「この論文は出しません。」これでいいのだ。全部やめればいい。これこそが私が本当の自由を手に入れる瞬間です。だから今は論文に集中しよう。これで最後になるかもしれない作業だから、思いっきり頑張ってみよう。

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